理事長メッセージ
長く続く「新型コロナウイルス感染」への不安を抱きながら、事業や運営に努めた一年でした。このような日々の中で、組合員、役職員、お取引先、関係する諸団体の方々からの協力や支援のもと、生協運動をすすめられていることに、深く感謝いたします。心からお礼申し上げます。
生活協同組合コープしがは、組合員のみなさんが大切な家計から出資し、組合員のくらしをよりよくするためにつくられている組織です。
生活協同組合コープしがの使命は、22万人の組合員一人ひとりのくらしに役立つことです。しかしながら日常にいただくのは「ありがとう」の声ばかりでなく、至らないことへのご意見も、まだまだたくさんあります。2021年度は組合員のみなさんの願いや想いを託してもらえる存在として、これまで以上に、組合員の声に基づいた運営・改善に取り組んだ1年でした。
また、2023年で生活協同組合コープしがは、創立30周年を迎えます。長きにわたって、組合員のみなさんに育まれたコープしがが、見守りや防災など、ともに地域のくらしを守る一員として、多くの県市町行政や社会福祉協議会のみなさんとのつながりを持つことができました。私どもが2030年ビジョンでめざす「誰もが安心してくらせることをめざし、地域の中で役割を担っています」「大多数の人々の理解と共感、つながりを力に、持続可能な社会への取り組みを広げています」に近づくように力を発揮してまいります。
生活協同組合コープしがは「ともにつくる 笑顔あふれる未来」という理念のもと、「私たちは、くらしへの想いや願いを出し合い、共感し合い、ともに考える、そのような人と人とのつながりを大切にします。」「私たちは、つながることで安心と信頼を育み、ともに歩むことで笑顔あふれるくらしを創造し、次代へと継承していきます。」を信条としています。
新型コロナウイルスの感染拡大、紛争やエネルギー問題など、先を見通すことが困難な時代ではありますが、組合員・県民のみなさんや、県内の様々な団体や組織のみなさんとのつながりを深め、理念に近づく確かな歩みをすすめる2022年でありたいと願っています。
最後に、みなさまからの引き続きのご理解とお力添えをよろしくお願いいたします。
理事長 白石 一夫
コープしがのシンボルマーク「スパイラル」
地球上にすむ生物は、一つの生命体から進化した家族であり、それらは地球から多くのことを学び、発展してきました。1993年3月、滋賀県の4生協は“自然・世界とともに発展する生協”をキーワードに「コープしが」として新たに発展しました。
シンボルのスパイラル(うずまき)は、コープの「C」を表すほか、巻貝、蔓、渦、波紋、風などの自然を象徴し、さらに、求心と拡大、進化の軌跡などの発展を象徴しています。
私たちは、いつも大きな共同体の一員であることを意識して生きていきたい。そして、「公平さ」「賢明さ」を大切にしていきたいと思います。
合併趣意書
コープ(生協)とは
コープとは、英語の協同組合「co-operative」の略です。農業協同組合や漁業協同組合など、さまざまな協同組合がありますが、消費者の協同組合を「生活協同組合(生協)」と呼び、「コープ」とも呼ばれています。
コープのしくみ
コープは、平和でより良いくらしをみんなで一緒につくっていくために、一人ひとりがくらしのさまざまな願いを寄せ合って協同し、助け合いながら実現してゆく消費者の組織です。
より良いものをより安く、安全・安心な商品の提供はもとより、地域の皆さんと一緒に、食・環境・平和・福祉などの多彩な取り組みを通じて、誰もがくらしやすい笑顔あふれる社会をめざした活動と事業を行っています。
コープのおいたち
ロッチデール公正開拓者組合の最初の店舗は、現在博物館となっています
コープ(生協)のはじまりは、1844年、イギリスの「ロッチデール」という小さな村にできた「ロッチデール公正開拓者組合」だといわれています。
当時のイギリスは、社会情勢を背景に物価が高く、粗悪な商品が流通していました。混ぜもののない、量目にごまかしのない商品を手に入れるために、28人の織物工が苦しいくらしの中から一年をかけて一人1ポンドを積み立てて、食料品などを共同で仕入れ分配する事業を取り入れたのです。
その小さな輪が世界中に広がり、今では10億人を超える人々が協同組合に参加し、世界最大の非政府組織(NGO)となっています。
コープしがの理念・ビジョン
コープしが2030年ビジョン
~やくだつ・つながる・ひろがる~
2030年のコープしがは…
- 食の安全・安心を大切に、一人ひとりのくらしへの役立ちを高め、生涯を通じて利用できる事業をつくりあげています。
- 誰もが安心してくらせることをめざし、地域の中での役割を担っています。
- 大多数の人々の理解と共感、つながりを力に、持続可能な社会への取り組みを広げています。
- 組合員と生協で働く誰もが活き活きと輝き、より良いくらしづくりをめざして持続可能な経営を続けています。
第Ⅰ期(2021~2023年度)の期間中にコープしが設立30周年を迎えます。
コロナ禍を乗り越えて、みんなで喜び楽しみをもって迎える2023年を記念の年にしていきましょう。
第Ⅰ期(2021~2023年度)
“やくだつ・つながる・ひろがる”計画(第9次中期計画)
位置づけと課題認識(土台づくり)
2021年度を初年度とする第9次中期計画(2021~2023年度)は、「コープしが2030年ビジョン」“~やくだつ、つながる、ひろがる~”の実現をめざす最初の3年間となるため、「第Ⅰ期“やくだつ、つながる、ひろがる”計画」と位置づけ、2030年ビジョンで描くコープしがの姿を実現するための施策を定めます。「第Ⅰ期“やくだつ、つながる、ひろがる”計画」では、コープしがの現在の姿をあらためて見直すことから始めます。そして、これからもずっとコープしがへ寄せられる期待に応え続け、ふだんのくらしにもっと“やくだち”続けるために「コープしがはどう変わっていけばいいか」をあらためて考え実践することにより、2030年時点でも“やくだち”続けるためのしっかりとした「土台」をつくりあげます。
重点課題
《ビジョン1》(2030年のコープしがは…)
食の安全・安心を大切に、一人ひとりのくらしへの役立ちを高め、生涯を通じて利用できる事業をつくりあげています。
- 宅配では、もっと安心・信頼して買い物ができるための取り組みをすすめるとともに、コープきんきとの連携を強めながら、多様なニーズに応える商品を品ぞろえし、商品の良さやこだわりを丁寧に伝え、利用を広げます。
- 店舗では、より便利な買い物を実現するための取り組みや、求められる品揃えを実現していきます。
- 夕食サポートでは、人生100年時代の健康的な食事のためのサポートを強化します。
《ビジョン2》(2030年のコープしがは…)
誰もが安心してくらせることをめざし、地域の中での役割を担っています。
- 地域での買い物支援や集える場所づくりのために、各市町や地域社協などと連携した自治ステーションの設置をすすめます。
- 県内JAやメーカーと連携し、県内産農産物の取扱拡大や、県内産原料を使用した商品の新規開拓を実施することにより、地域の1次産業の活性化をはかります。
- 「お買い物サポートカー」を拡大することにより、地域でのお買い物困難者への支援を強化します。
- 地域包括ケアシステムに参画することにより、住み慣れた地域で、誰もが自分らしいくらしを続けるための役割を果たします。
- 地域での保育ニーズの高まりにあわせて、コープもりのこ保育園の定員を増やすことに取り組みます。
《ビジョン3》(2030年のコープしがは…)
大多数の人々の理解と共感、つながりを力に、持続可能な社会への取り組みを広げています。
- 環境に配慮した商品の利用拡大や紙媒体の削減などに加えて、新しいリサイクルの方向性の検討を行うことにより、さらに環境に配慮した運営をすすめます。
- コープしがブランドイメージを構築し、積極的にアピールすることにより、生協の良さを広げていきます。
《ビジョン4》(2030年のコープしがは…)
組合員と生協で働く誰もが活き活きと輝き、より良いくらしづくりをめざして持続可能な経営を続けています。
- 組合員の想いをかたちにすることにより、参画が実感できる生協運営をめざします。
- 施設の有効活用の検討や効率的な運営体制の構築、事業構造改革をはかるなど、常に事業効率を追求することにより、安定した事業運営を続けます。
- これからもずっと組合員に“やくだち”続けるために、組織の基である「人」づくりを強化します。
さまざまな事業や活動を行っています