骨取りさばのみぞれ煮
取りたらの甘酢あんかけ
ノルウェーさばの骨を取り、大根おろし入りのしょうゆダレで煮付けたみぞれ煮。骨取りたらのフリッターにマイルドな酸味のタレを絡めた甘酢あんかけ。解凍するだけで本格的な魚料理を楽しめる人気の一品です。
「そもそも極洋は漁労(※)からスタートした会社です」と教えてくれたのは、食品事業本部の土居陽介さん。創業は1937年。魚を追って世界中の海を駆け巡るなかで、国内外のさまざまな魚種を扱うようになり、1940年代から缶詰などの加工食品の製造を開始。また、近年では煮魚や焼魚などの冷凍食品で国内トップクラスの販売実績を誇るなど、創業当初から一貫して魚に強い会社です。
「骨取りさばシリーズは、2002年に発売されました。当時から日本人の魚離れは進んでおり、もっと食べやすく加工して、より多くの人に魚のおいしさを知ってほしいと開発されたのです」。同社が最も力を注ぐのは、原料となるさばの調達。水温が低く、プランクトンが豊富なノルウェー近海で水揚げされた北大西洋さば(ノルウェーさば)に限定しています。
「脂質は約25%と脂乗りがよく、身がやわらかで魚本来のうま味があります。水揚げしてすぐ船上で入札が行われ、そのまま冷凍工場へ運ぶのでとても新鮮なんですよ」。工場へ搬入されたさばが凍結されるまでわずか15~20分。すべてが全自動で行われ、人の手が直接魚に触れることはありません。漁業先進国ノルウェーでは漁業の近代化が進んでおり、魚を乱獲しないように他国と一緒にルールづくりもしています。
極洋ではその上で“テクニシャン”と呼ばれる魚の目利きに長けた社員を現地へ派遣し、抜き打ちで検品を行い、自らの目で確かめた原料だけをコープ商品として買い付けているのです。
※漁労:魚などの水産物を捕獲・収獲すること
ノルウェーで凍結されたさばは、タイ・ベトナムの骨取り加工工場へ送られます。頭を落として3枚におろしたら、あとは1本1本ピンセットで骨を抜く作業。これは熟練した人の手でないとできません。
ちなみに骨取りさばシリーズは当初、「味噌煮」からスタートしました。「みぞれ煮」が開発されたのはそのあとですが、実はこれにも誕生秘話があります。「1匹のさばから味噌煮用の大きな切り身を取ると、どうしても端っこの小さな切り身が余ります。その切り身を2枚組み合わせて開発したのがみぞれ煮です。魚を余すところなく食べてほしいというフードロス削減の観点から生まれた商品です」。
骨取りさばのみぞれ煮は、粗さの異なる2種類の大根おろしを使い、さっぱりと煮魚を楽しめるようにしています。しょうゆベースのタレは塩味や添加物を極力抑え、ごはんがどんどん進むコク深い味わいです。一方、最近ファンを増やしているのが
骨取りたらの甘酢あんかけ。フリッター状にした骨取りたらに細切りの国産野菜を添えたメイン料理になる一品です。
「隠し味にケチャップを入れ、お子様でも食べやすい甘酸っぱさに仕上げました。国産の玉ねぎと人参を甘酢あんに絡みやすいよう細切りにしてあります」。
今では不動の人気を誇る“骨取り”の商品ですが、中には「魚食文化に反している」「子どもが魚を誤解するのでは?」といった声をいただくこともありました。「それでもやはり『骨があって食べにくい』ことが魚離れに繋がるのなら、そのハードルを下げることが私たちの役割です。お子様が最初に魚を食べるワンステップとして、ご高齢の方が安心して食べられる魚料理として、ご愛用いただければと思います」と、土居さんは話します。
極洋では25年以上も前から骨取りの加工技術を磨いてきましたが、それでもやはり骨取りは機械化できない繊細な作業だといいます。「人の手ってものすごく感度のいいセンサーなんですよ。触っただけで小骨がどこにあるのかわかるので。特にさばはほかの魚に比べて魚体が小さいので、骨取りが難しいと思います」と土居さん。タイやベトナムの加工工場では、専用のピンセットで丁寧かつスピーディに骨を取るスタッフの姿があります。また、骨残りがないかを複数のスタッフでチェックする体制も整えているそうです。
10月号の「だから、おすすめ。」ではコープヌードルを紹介します。
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