コープしがの組合員と地元企業が開発したユニークなおはぎこそ、「甲賀の黒影米おはぎ」。プチプチとした食感とあんの組み合わせは、ほかにはない味わいです。
春のお彼岸が近づくこの季節、特別なお菓子を用意してお客様をもてなしてみませんか。話のタネにもぴったりですよ。
「2018年、コープしがの商品開発検討委員会から『甲賀市の黒影米を使ったお菓子を開発してほしい』というご依頼がありました」と、近江八幡市にある和菓子メーカー・近江三方庵の瀧佑介さん。
商品開発検討委員会とは、「安全安心なものを食べたい」「国内産や県内産の商品を利用したい」という組合員の声を受け、2008年9月に誕生した組織。県内7つのエリアから1人ずつ選出された組合員で構成され、組合員の想いをカタチにした産直商品や県内商品の開発・見直しに取り組んでいます。
上品で口当たりのよいこしあん、甘じょっぱさがクセになるみそあん、香ばしくさっぱりしたほうじ茶あん。食べやすいひと口サイズです。
黒影米とは古くから近江盆地で栽培されてきた黒米のもち米で、アントシアニンやタンパク質、ビタミン、鉄、カルシウムといった栄養分が豊富。一説には甲賀忍者が〝薬米〟として食用していたことから、甲賀市ではこのお米を「黒影米」と呼び、栽培しています。
「お米の特長を生かすなら、粒が残せるおはぎがいいよねと。どうせなら黒影米の赤紫色を前面に押し出したいと、今の形になりました」。これまでにも近江三方庵では委員会と一緒に様々な商品を開発してきましたが、その中でもこのおはぎは試行錯誤の連続でした。
「黒影米は種皮の部分に栄養分が多いので玄米を使用します。ただし普通に炊くとかなり固い。そのため丸一日、24時間お米を水に漬けています。これは通常の浸水時間の2倍以上。さらには滋賀羽二重もち米をブレンドし、もちもち食感にプチプチとした黒影米を感じる理想の歯ざわりにしています」。
こうしておはぎの生地が完成しましたが、次なる問題は〝あんこ〟です。「おはぎといえば粒あんですが、試してみると黒影米のプチプチ感と粒あんの相性はあまりよくない印象でした」。そこで北海道産小豆を使ったなめらかなこしあんにしたところ、満場一致で誰もが認めるおいしさに。
「さらに『みそあんとほうじ茶あんも作れないか』と相談を受けました。製造現場の人間としてはそれが衝撃で(笑)。思いもよらない発想でした」。戸惑いながらも試作をすると、これがなんと相性ぴったり。「委員会のご意見を素直に聞いてよかったです」と瀧さんも満面の笑みを浮かべます。
地産地消の観点から、みそあんには大津市にある九重味噌の極上白味噌を、ほうじ茶あんには甲賀市にあるかたぎ古香園の無農薬ほうじ茶の粉末を使用しています。
「味についても、私たちは万人が食べやすい味を目指しましたが、委員会からは『みそあんを買う人はみそが好き。ほうじ茶あんを買う人はほうじ茶が好き。だからもっと味を強くしたほうが喜ばれる』と。工場の中だけでは気付かないアイデアをどんどん出してもらえるからこそ、委員会との共同開発は、私たちにとってもすごく勉強になるんです」。
2018年の発売以来、順調にファンを増やし続ける甲賀の黒影米おはぎ。そこには「県内産のすぐれた食材でおいしい商品を作りたい」という組合員の熱意、さらには地元企業のたゆまぬ努力が隠されているのです。
産直・県内産商品の開発に携わりながら、地産地消やコープ商品について学んでいただく商品開発検討委員会のメンバーを募集しています。
活動期間 | 2021年4月~2022年3月 |
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活動報酬 | 年間 30,000円(交通費 実費支給) |
応募締切 | 2021年3月12日(金) |
組合員活動(くみかつ)メンバーについて 詳しくは ⇒ こちら