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つくる現場から
産直 滋賀の生きくらげ

プリプリ食感で栄養豊富な肉厚きのこ

産直 滋賀の生きくらげ

国産おがくずを固めた菌床を使い、農薬を使わずに栽培された生きくらげ。乾燥きくらげにはないぷりぷり、コリコリした食感が持ち味。通常は1パック約50gですが、旬を迎える7・8・9月は約60gに増量(※)します。
※増量は宅配のみ

中国料理のアクセントとしておなじみのきくらげ。今までは中国産の乾燥きくらげがほとんどでしたが、昨年、滋賀県産の生きくらげが産直に仲間入りしました。まだまだ知名度が低い生きくらげについて、たっぷりお話を伺いました。

「まさかここが…?」。到着したのは、5年前に廃校になった旧今津西小学校。少子高齢化が進む高島市の山間部にあり、冬には2m近くの雪が積もる県内有数の豪雪地帯です。

廊下には学校だった時と同じように教室が並び「職員室」「家庭科室」といった当時のプレートはそのまんま。この中で、きくらげが栽培されているなんて、なんだか不思議な気分です。

「そもそも弊社の本業は半導体・電子部品の品質検査や加工ですが、きのこの生産を始めたのは10年前からです」と話すのは、共栄精密株式会社・班長の林裕輔さん。なぜ、精密機械の会社がきくらげを…? と、ますますハテナが浮かびます。

共栄精密株式会社
班長 林 裕輔ゆうすけさん

半導体のノウハウを応用

元職員室にも菌床(きのこを栽培する人工培地)がずらり。一つひとつ管理され、棚の位置によって生じる発育のよしあしまで細かにデータチェックしています。

「本社は東近江市ですが、熊本県人吉市にも工場があります。今から10年ほど前、リーマンショックにより、工場で働く人たちの仕事が減ってしまいました。なんとかして雇用を守らなければいけないと考えていたときに『きくらげを地元の特産品にしたい』という人吉市の想いを知り、新事業としてきのこの栽培を始めたのです」。とはいえ、精密機械の会社にとって農業は畑違い。当初は周囲から猛反対を受けましたが、各地のきくらげ農家で一緒に仕事をさせてもらいながらイチから技術を学びました。

「きのこの生育に大切なのは、雑菌のない環境と温度・湿度・換気です。そして弊社が手がける半導体事業も髪の毛1本、ホコリ1つがクレームになる世界。クリーンルームの整備や温度・湿度の管理はむしろ得意分野です」と林さん。本業で培った管理・分析力により、全国に先駆けて純国産の生きくらげを商品化することに成功しました。

栄養価はトップクラス

大きさがバラバラなので、手で丁寧に摘み取り、新鮮なうちにパックに詰めます。

生きくらげの魅力は乾燥きくらげでは得られないプリプリの弾力感。加えて傘が大きく肉厚なのが、産直 滋賀の生きくらげの最大の特長です。「きくらげのおいしさはなんといっても食感のよさ。一方で、主張する味がないことが弱点だと思っていたのですが、あるシェフに『どんな料理にも合うということ。しかも食感がよく、栄養価が高いなんて一流の食材ですよ』と言っていただきました」。

食物繊維が豊富なきのこの中でも、特に含有率が高いきくらげ。そのほかの栄養価も高いのがセールスポイントです。カルシウムは牛乳の約2倍、鉄分はレバーの約3.5倍、加えて近年、免疫力のアップに働きかけると話題のビタミンDが全食品中、最も多く含まれています。さらには超低カロリーで、貧血や高血圧の予防、便秘の改善なども期待でき、美容と健康を気遣う女性にぴったりの食材です。

人のために地域のために

『はなびらたけ』
近年スーパーフードとして注目されるきのこの1つ。免疫力を高めるといわれるβグルカンが豊富で、うま味成分のアミノ酸はしいたけより多く含まれ、ちぎってお味噌汁に入れるだけでだしのうま味が引き立ちます。

熊本県でスタートしたきのこの生産が、滋賀県で本格化したのは2016年から。現在では廃工場を利用した甲南きのこセンターと廃校舎を利用した高島きのこセンターがあり、いずれも地域の遊休施設を有効活用しています。

そもそも「従業員の雇用を守るために始まった事業ですから、各地のきのこセンターでも雇用の創出につなげたい。障害をお持ちの方やご高齢の方など、働きたくても働けない方々の就労を支援したいと考えています」。ちなみに国産の木のオガクズを使った農薬不使用栽培の菌床は、使い終わってもそのまま捨てず、たい肥として近隣農家に格安で提供しています。

このように共栄精密のアグリフード事業は、さまざまなかたちで地域社会に貢献しています。

生きくらげ 基本の下ごしらえ
きくらげの中心部にある石づきをカットして軽く洗い、水けを切ります。
※表面に白い粉が付着することがありますが、カビではなく胞子なので問題ありません。サッとゆでて、ポン酢や酢味噌をつけるだけでもおいしい生きくらげは、カレーやサラダにも◎。

共栄精密株式会社 
高島きのこセンター

精密機械の加工・検査を手がける企業として1970年設立。東近江市に本社、東海・関東・九州にも事業所を展開。きのこの生産はアグリフード事業として2010年に開始。

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