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つくる現場から
滋賀有機ネットワーク 大中トマト部会
産直 一株トマト

約2200坪の耕地で、4名の農家が約1万5400本のトマトを栽培しています。

産直 一株トマト
栄養をぎりぎりまで蓄え、甘みと旨みを増した完熟トマトを登録制で組合員へ。1株から収穫される約8kg相当のトマトを毎週もしくは隔週に分けてお届けします。

「毎年楽しみにしています」「市販のトマトと全然違う」と、組合員からよろこびの声が寄せられる産直一株トマト。今年で22年目を迎えるそのおいしさの秘密について、近江八幡市大中地区の生産者を訪ねました。

トマトは一般的に、1割程度の着色で収穫されます。農協・市場・中卸を経てスーパーなどに並ぶ頃には、青かったトマトは全体に赤くなるのです。しかし、一株トマトは樹で熟して8割程度赤くなってから収穫、すぐにコープの配送センターに運ばれ、採れて3日目には組合員の手元に届きます。

「なぜ市販のトマトは青いうちに収穫するの? 完熟のほうがおいしいのに」と思われる人も多いと思います。実は熟度の進んだトマトは驚くほどデリケート。運ぶ間にトラックの振動で割れてしまうことがあり、一般的な流通ルートや長距離輸送に向きません。 「産直一株トマトは、“食べごろのトマトを安定して届けたい”という地元生産者の想いと、“完熟したおいしいトマトを食べたい”という組合員の願いから生まれたものです」と、滋賀有機ネットワーク代表の田井中年人さん。

滋賀有機ネットワーク 代表 田井中年人さん

その仕組みを簡単に説明すると、トマトが旬の5~7月のあいだに一株から収穫できる約8トは登録制。毎週決まった量を決まった組合員さんにお届けしますから、私たちにも計画的に栽培できるメリットがあります」と生産農家の野口哲司さん。

ただし、産直一株トマトはいわゆるオーナー制ではありません。個人が特定のトマトの株を契約する仕組みではなく、約1万5400株の中から熟度の進んだよいものだけを選んで届けてもらえます。また、2008年からは隔週で購入できる手軽なコースをスタート。昨年は4800件の登録があり多くのリピーターから支持されています。

子どものように手をかけて

マルハナバチが受粉を助けています。

毎日毎日空を見上げて、寒い日には暖房で空気を温め、晴れた日には換気。湿気の多い雨の日にはファンで空気を循環するなど、ハウス内の環境をトマトのために微調整しています。その細やかな気づかいは、まるでわが子を育てる親のようです。 しかし、それでも近年の天候不順で思ったように色づかず、ヘタの周りが黄色っぽくなることがあります。「トマトは真っ赤というイメージがありますが、自然が相手ですからね(笑)。多少の色ムラは、味にまったく影響はありません」

あふれだす旨みに感動!

大中トマト部会では、甘みと酸味のバランスがよい桃太郎系トマトを栽培しています。暑さや病気に強いため、使用する農薬を減らすことも可能です。一方で肥料についてはあえて有機を使いません。「有機肥料は分解されると土が酸欠状態になる。するとカビが発生して根が腐りやすくなるのです」。

そこで20センチ角位の箱に培養液を入れ、トマトを育てる少量土壌培地耕という方法を採用しています。これはびわ湖を抱える滋賀県が独自で開発した栽培法で、土を汚さず環境への負担を減らせるとして注目を集めています。「土が少しで済むから連作障害(同じ畑で同じ野菜を育てると土が痩せて生育不良になる状態)が起きにくく、身の締まりのいいトマトになるんです」と野口さん。

有機栽培と無機栽培のどちらも手掛けるベテラン農家だからこそ、熟せば熟すほど旨みの強い一株トマトを育て上げられるのです。



農家直伝! おいしい食べ方

食べごろをお届けしますので、夏場は早めに冷蔵庫に入れてください。ただし、冷やしすぎには要注意。旨みを感じにくくなります。食べる前に冷蔵庫から取り出して、少し常温に置いておくのがおすすめです。

産直一株トマトの申し込み方法
  • 4月4回の注文書で登録を受け付けます。
  • 10週連続で700gずつ届ける 《毎週コース》 、隔週で700gずつ届ける 《隔週コース》 から選べます。

※期間中の取り消しはできません。

滋賀有機ネットワーク 大中トマト部会

食の安全・環境保全・健康のための農業を目指す生産者のネットワーク組織として設立されました。

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