栄養満点の大豆は、日本の食卓に欠かせない食材ですが、乾物から戻すとなると、これがなかなかひと苦労。乾燥大豆の場合、ひと晩じっくり水に浸し、鍋に移して弱火で煮ながら小まめにアク取りをしないといけません。
そこで、下処理済みの水煮大豆が一般的になりましたが、さらなる改良版として1988年、日本生協連とトーアス(株)が共同開発した商品がCO・OP大豆ドライパック。発売31周年を迎え、非常食として常備しているご家庭も多いロングセラー商品です。
「そもそもドライパックって何?」「水煮缶とどう違うの?」という組合員の疑問に応えるために、愛知県豊川市にあるトーアス(株)を訪ねました。
「ドライパックの最大の特長は、素材自身が持つ水分で蒸し上げるところです」と教えてくれたのは、トーアス(株)大崎事業所食缶課の嶋 朋也さん。まずは甘みの強い北海道産トヨマサリをたっぷりの水に漬け、約8時間かけてゆっくりと水戻ししていきます。
続いて大豆をゆでる、大切な工程に。グツグツゆでると大豆が柔らかくなり過ぎるので、水から徐々に温度を上げ、沸騰手前で、やや堅めにゆで上げます。ここではアクはもちろん、大豆の中の酸素を除去するのがねらいです。
「缶の中を高真空に保つため、大豆をゆでて中の酸素を追い出します」と嶋さん。異物や皮、割れ豆などを除去し、ゆでた大豆を缶に入れ、ふたをする瞬間に空気を抜き密閉します。その缶ぶた巻締技術によって実現する、高真空状態での密封が、トーアスの強みといえますが、そもそもなぜ高真空にこだわる必要があるのでしょうか。
「高真空状態にした缶詰を最後に100℃以上の高温で加熱・殺菌します。そうすると缶の中で大豆の水分が水蒸気化し、ふっくらと蒸し上がるのです」。大豆をゆでる時にやや堅めに仕上げるのも、終盤の加熱・殺菌で理想の柔らかさに調節するためです。
熱伝導率が高く、水蒸気が発生しやすい高真空状態では、素材がもつ水分だけで蒸し上げることができます。うま味や風味を損なわず、水に浸さなくても柔らかいままで、その上、大豆の栄養分が凝縮されるのです。
また1990年には、柔らかく口当たりのよい国産芽ひじきを使用し、水戻しの手間を省いたCO・OPひじきドライパックを発売。さらに2005年からは、ゴミ処理問題や、少人数の家庭に対応した、小容量タイプのドライパックパウチを発売しています。
このようにドライパックシリーズは、時代のニーズに合わせて進化を続け、多くのファンを増やし続けています。
原料が農産物ですから、年度によって品質にバラつきが出るのは当然です。同じ品質の商品をお届けするために、入念に原料をチェックし、その原料の状態に合わせて取り扱うようにしています。
和えるだけで栄養満点♪
子どもたちもパクパク!
超カンタン! おつまみ感覚
学習会でも大好評♪
缶 | パウチ | |
---|---|---|
容量 | 140g | 60g |
賞味期間 | 3年 | 1年6カ月 |
四国・九州産を中心に、長ひじきに比べて柔らかくコシのある芽ひじきを使用したひじきドライパック。2018年6月よりボイルの工程をカット。食感や風味のよさが以前よりアップしています!