「離乳食は手作り派」という組合員のため、すぐに使える素材型商品を提案する「きらきらステップ」。中でもやわらかいミニうどんが好評です。
内容量は、乳幼児1食分の80g×6。九州産小麦粉と水だけで作った冷凍タイプのうどんです。
「ベビーフードばかりを与えるのは不安。でも、完全に手作りするのは難しい…」。そんな子育て世代を応援するため、2017年春よりスタートしたのがコープの「きらきらステップ」シリーズ。中でも人気のCO・OP九州産小麦使用やわらかいミニうどんは、電子レンジでチンするだけで難なくスプーンで潰せるほどのやわらかさが魅力です。
開発・製造を行っているのが、大阪府泉佐野市にある株式会社サンデリックフーズ。手打ちうどんの専門店として創業し、独自の製麺技術の機械化により、業務用から家庭用まで幅広い冷凍麺を手掛けているメーカーです。
同社のうどんの持ち味は、讃岐うどんに由来する手打ち方式の強いコシ。やわらかさを追求したこの商品とは真逆のため、開発にはさまざまな苦労がついて回ったそうです。
「麺のかたちを保持しながら、食べればちゃんとやわらかい。その調整に難航しました」と話すのは、(株)サンデリックフーズの工場長 丹野敏さん。CO・OP九州産小麦使用やわらかいミニうどんの原料は、なんと小麦粉と水だけ。乳幼児が口にするものだからこそ、とことんシンプルにこだわって塩すら入っていないのです。
しかし、手打ちうどんには昔から「土三寒六(夏の土用の頃は塩1杯に水3杯、冬の寒い頃には塩1杯に水6杯)」という言葉があるように、四季の温度変化にともなう微妙な塩加減がとても大切。加えて、小麦粉のグルテンを形成し、麺のかたちを保持するのも実は塩の役割なのです。
「そこで生地がだれないようにしっかりと小麦粉をこね、何度も圧延(圧力をかけて伸ばす技法)を繰り返し、じっくりと長時間熟成させています」と丹野さん。その上で重要なのは麺のゆで時間。たっぷりと30トンのお湯を張った大釜で、通常の約3倍の時間をかけてゆで上げます。そうすることで、スプーンで潰せる、箸でも簡単に切れるやわらかさになるのです。
その後、ゆで上げたうどんはすぐさま粗熱を取り、急速に冷却します。微生物が繁殖できない低温で冷凍するため、保存料などを添加する必要がありません。保存料無添加の冷凍食品として供給する。そこには、「子どもに安心安全なものを食べさせたい」という組合員の強い要望がありました。
しかし、最後に最大の難関が待ち受けていました。それが、包装。乳幼児が一度に食べきれる分量として、管理栄養士が推奨するのは80g。通常のうどんが1人前200gであることを考えれば、半分以下のサイズです。「麺の厚みが出ないから包装ができない。本当に頭を抱えました」。
困った末に、日本生協連の開発担当者に「1食100gにできないか」と相談を持ちかけました。しかし、子育て世代のニーズを追求し、満足してもらえる商品にするには、1食80gの基準は譲れないとのことでした。そこで、容器を底上げして厚みをもたせ、包装機にかけることに成功。その上、容器を底上げしたことで、電子レンジの解凍ムラも軽減できたのです。
こうして、さまざまな紆余曲折を経て完成したCO・OP九州産小麦使用やわらかいミニうどんは、品質のよさと使いやすさが支持され発売当初から約4倍の売り上げを誇る人気商品に。くたくたになるまで煮て、細かく刻む離乳食の手間から子育て世代を解放したのです。
離乳食に関する悩みを持つ組合員の想いから生まれた離乳食・幼児食のシリーズです。
「安心できるものを」「冷凍食材なら便利だな」「ひと手間加えられる素材型が欲しい」など、商品開発には、子育て中のパパ・ママの声が活かされています。
For baby(5ヶ月~)は、下ごしらえなしですぐに使える野菜・主食などを商品化。すりつぶしたり、ほかの食材と組み合わせたり様々なアレンジが可能です。for kids(1歳6カ月~)は、幼児が食べやすい大きさ・食感で、やさしい薄味仕上げ。管理栄養士が監修しているので、新米パパ・ママにも大助かりです。
CO・OP九州産小麦使用やわらかいミニうどんは食塩不使用。だから乳幼児だけでなく、血圧が気になる人やお年寄りにもおすすめ。少量サイズで食べやすく、風邪などで食欲がない時にも重宝します。
子どもたちに大人気!
加熱したミニうどんの上から、子ども用のレトルトカレーをかけるだけ。「パクパク食べてくれる!」と評判。
風邪を引いた時に!
ストレートのめんつゆにチューブ入りの生姜と片栗粉を溶き、加熱したミニうどんとネギを投入。体もポカポカ温まりそう。
夜のおかずの一品に!
たまごスープの素にお湯を注ぎ、電子レンジで加熱したミニうどんを入れるだけ。お年寄りにもおすすめ。
お客様に安心して食べてもらえるものを提供することが従業員一同の使命だと考えています。工場内には各所に人員を配置していますが、衛生面を考慮して従業員が直接製品に触れることはありません。
2016年に食品安全の国際規格であるFSSC 22000認証を取得しました。