愛知県小牧市 毎日クロワッサン
(10個入り/ケース販売)
今回はコモの毎日クロワッサン。朝食として常備している組合員も多いのでは? おいしさが1ヶ月以上も長続きするその秘密を伺いました。
「買ったら早めに食べないと…」というパンに対するイメージを、がらりと変えてしまったのがコモのパン。最短でも35日、ものによっては90日の長期保存が可能で、日本の製パン業界に革新をもたらしました。
「でも、添加物がいっぱい入っているんでしょう?」と心配されるかも知れませんが、コモのパンは保存料無添加。中でも毎日クロワッサンは、ふんわりとしてほのかに甘い独特の味わいにファンの多い商品です。その製法の秘密は何なのか。愛知県小牧市にある本社工場を訪ねました。
株式会社コモの設立は1984年。創業者がイタリアで出会った天然酵母が始まりでした。その名はパネトーネ種。社名の由来にもなったイタリア北部のコモ湖の周辺にしか存在せず、酵母と乳酸菌が共生するとても珍しいものでした。
「パネトーネ種を使ったパンはなぜだか不思議と日持ちする」。現地でそのことを知った創業者はイタリアから技術者を招き入れ、イタリア製の機械を使って日本で本場さながらのパンの製造を開始しました。こうして、イタリアのごく限られた地域にしかない天然酵母のパンが、日本で製造されることになったのです。
「ただし、パネトーネ種を使うだけでは長持ちしません。当社は元種(もとだね)製法だからこそロングライフでおいしいパンができるのです」と、製造本部長の榊剛弘さん。元種製法とは、天然酵母がもつ自然の力を利用してゆっくりと熟成発酵を促す作り方。炭酸ガスを効率よく発生して生地を膨らます工業用イーストとは異なり、手間ひまがかかります。パネトーネ種に水と小麦粉を加えて増やす準備段階で1日半、発酵に10時間、焼成までトータルで3日間もかかるのです。
そして、パネトーネ種を使って長時間熟成発酵させたパンは、その製法に従い水分含有量を少なくすることができます。一般的なパンが35~38%だとすると、パネトーネ種を使ったパンの水分量は約20%。水分が少なければ当然、カビの発生率が低くなり、脱酸素剤やアルコール製剤に頼らないパンづくりができるのです。しかし本来、水分量が少ないパンはもっとパサパサしているはず。なぜ毎日クロワッサンはしっとり柔らかい食感を実現できたのでしょうか。
「通常のパン生地が気泡の多い網目構造であるのに対し、私たちコモのパンは面が幾層にも折り重なった膜構造(図を参照)。かんだ時にも膜がふわっと広がり、柔らかな弾力感を生むのです」と榊さん。しかもパネトーネ種に含まれる乳酸菌の働きで、柔らかな口どけに爽やかな甘酸っぱさを感じる独特の風味をもたらすことができました。
イタリアの伝統技法を導入し、日本に先駆けてクロワッサンを作り始めた当初、焼きのしっかりしたヨーロッパ流のパンの食感は、日本人の舌にはなかなか馴染みませんでした。改良に改良を重ね、ようやく発売にこぎつけても、「こんなに日持ちするなんておかしい」と受け入れられない日々が続いたそうです。それが、利便性と安全性を生協に認められ、買い置きに便利なケース販売を企画したところ、多くの組合員に支持されるようになりました。「コモのパンには生地100gあたり1億個以上の乳酸菌が含まれています。お酒であれ、みそであれ発酵食品には乳酸菌の働きがつきもの。私たちのパンもまた発酵食品なのです」と榊さんは話します。
株式会社コモが一番大切にしていること
何があっても元種製法を貫くこと。手間と時間がかかりますし、もっと簡便な方法もありますが、自然に逆らわない元種製法だからこそ、保存料無添加でロングライフのおいしいパンができるのです。
大麦粉を使用し、CO・OPモーニングクロワッサン比で30%糖質を抑えたふんわり・しっとりしたクロワッサンです。賞味期限約50日。
なめらかなメロンクリームをパネトーネ種使用の口どけのよい生地で包み込みました。香り豊かなメロンの風味が感じられます。賞味期限約60日。
ホームページには、毎日クロワッサンを使ったレシピがたくさん掲載されています!