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つくる現場から
しっとり、優しい甘さ 
近江米ぱうんど(白みそと黒豆)

「近江米ぱうんど(白みそと黒豆)」
滋賀県産の米粉と九重味噌の白みそを使用した生地に、黒豆をトッピングした優しい味わいのパウンドケーキ。

 今回は、取材時がちょうど夏休みのタイミングということから「特別企画~つくる人に会いに行こう~」をテーマに、工場見学を開催。事前に応募して下さったコープしが組合員である2組の親子に、“つくる現場”を体験していただきました。

 商品は、商品開発検討委員会から生まれたものの中でも人気が高い「近江米ぱうんど(白みそと黒豆)」。白みそ風味のしっとりした米粉生地に、黒豆をふんだんにトッピングした、優しい味わいのパウンドケーキです。製造を担う株式会社図司穀粉ずしこくふんは、野洲市・三上山のふもとに工場を構え、滋賀県産の米と白みそを使い、素材の品質だけでなく、地産地消であることにもこだわり、大切にしています。

 “つくる現場”を体験すると、商品への作り手の思いを肌で感じられるはず。参加した親子と一緒に、その思いやこだわりをお伝えします。

工場に入る前は徹底的に清潔に!

今回参加してくれたのは、小学3年生の林花梨さんと愛美さん親子、小学6年生の森野美奈さんと悦子さん親子の2組。工場の案内や会社の思いなどを話してくれたのは、(株)図司穀粉営業部部長・西尾晃輔さんと、米粉加工品工場副工場長・園田矩之さんです。

 早速作業着と帽子、マスクを着用したら、まずは工場入り口手前のスペースで、粘着ローラーを使って全身のホコリを取る作業から。もちろん洗濯された作業着ですが、洗濯機でついたホコリを取るためタイマーをセットし、きっちり1分間、靴を脱いで足(靴下)の裏まで行う徹底ぶりです。次に手洗いは、学校で習ったように爪の中まで丁寧に。さらにエアシャワーを通過したらようやく工場内へ!

 電話やちょっとした所用で出入りするたびに同じ作業を行うと聞いて、少し驚いた様子の林さんと森野さんでした。

(左から)米粉加工品工場 副工場長 園田矩之さん、営業部部長 西尾晃輔さん

異物を持ち込み、商品に紛れ込んでしまわないよう、工場内に入る前のホコリ対策は徹底して管理されています。工場に入る前に作業着に着替え、マスクと帽子も着用。出入りするたびに1分間きっちり粘着ローラーを使って全身のホコリを取ります。

両手の指の付け根や爪まで石けんでしっかり洗い、工場内にはばい菌も持ち込みません。

滋賀産であること、無添加を目指すこと

 1つ目の部屋では、その日作る商品の分量に合わせた米粉をふるい機にかけます。これは、粉を入れている紙袋の切れ端などが入らないようにするためだそうです。

 米粉の原料となるのは、滋賀県産の日本晴という品種で、モチモチし過ぎず、パウンドケーキなどにすると膨れがいい、と西尾さん。「私たちも作り手の顔を見て安心して商品にしたいので、米は滋賀県産に限定しています」。滋賀県産にこだわりたいという想いで、近江米ぱうんどに使用するみそも、大津市にのれんを掲げる老舗・九重味噌が、滋賀県産大豆で作る白みそです。黒豆は品質を優先し、国内産のものを使用。「大粒ですね!」と森野さんが思わず呟いたように、上質でLサイズのものだけを使用しています。

滋賀県産の日本晴と大津の九重みそを配合。国産の黒豆は、生地に対して1割強を使います。一度で120本焼き上げる工程を1日で3度繰り返すそう。

「黒豆は生地に対して1割強の量を使います。バターやマーガリン、砂糖は使わず、バターのようなコクと風味はみそで、しっとり感は水あめで出しています。焼き上げる際、生地中の水分と、気泡が蒸発して膨らむので、ベーキングパウダーも使っていません」(園田さん)。できるだけ余計なものは使わない、というこだわりと信念が、原材料から伝わってきます。

 米粉と材料をミキサーで混ぜ、型へ流し、黒豆をトッピングしたらオーブンへ。焼き上がったら粗熱を取り、ラッピングしてマイナス40度の冷凍庫で急速冷凍します。10度?マイナス5度の温度帯で生地の質感が損なわれてしまうため、いかに素早くこの温度帯を通り過ぎるかが鍵だそう。

「実は、常温で2~3週間の賞味期限のものを作ることも可能」と話すのは西尾さん。でもそうしないのは、無添加にこだわりたいから、と語気を強めます。必要以上の添加物を使わず、急速冷凍で品質とおいしさを保ったまま組合員の元へ届けるのが、限りなく無添加に近く、安全・安心な方法なのです。

 見学中、生地に黒豆を並べる大役を任された林さん・森野さん親子でしたが、計りながら「もう1粒かな?」「この辺かな」と真剣な表情。最後は、自分たちがトッピングした焼きたての近江米ぱうんどを試食し、工場見学は笑顔で終了しました。

生地を型に流し込み、黒豆をセットするのは手作業。まずは型に流し込む作業から。

1本につき、生地は200g程度。スケールで量りながら正確に入れていきます。

挑戦してみると、思っていたより難しい様子。ですが、真剣な眼差しで集中しています。

ケンケンパの要領で黒豆を並べるのがコツです!

焼き上がったら、冷まして最後は冷凍庫へ。出荷時は冷凍の状態でお届けします。

体験後に、自分で作ったものを食べさせてもらい大満足!

1日を終えて

森野 悦子さん、美奈さん(小学6年生)

しっかり汚れを落とさないと作る所に入れないと知り、大変さがわかりました。試食の「近江米ぱうんど」も、しっとり・もちもち。しかも無添加で、安全でおいしいく食べられるので、すごいと思いました。(美奈さん)

林 愛美さん、花梨さん(小学3年生)

黒豆を自分で並べたことが一番楽しかったです。冷凍庫は涼しかったです。パウンドケーキおいしかったです。(花梨さん)、「こうしたい」という作り手の強い思いや考え方を知ることができました。(愛美さん)

株式会社 図司穀粉

近江冨士工場

場所は米どころで水がきれいな野洲市三上山の麓。異物混入を避けるため、原料の入荷から製造、商品の出荷までの動線は交差せず、コの字型になっています。

» 株式会社 図司穀粉 ウェブサイト

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