JR草津線沿い、甲賀流忍術屋敷からほど近い場所にあるコープしがの子会社「株式会社シガフードプロダクツ」。こちらの工場では、バラ凍結のミンチを加工・製造しています。
その中でも国産合挽きミンチ(国産牛6:国産豚4)は、子どもが好きなハンバーグやオムレツ、お父さんもうれしい麻婆豆腐や肉団子などの中華メニュー、炒め物やスープなど、食卓で大活躍の人気商品。最大の特徴はバラ凍結されていることです。長年、生協らしい商品として組合員さんに愛されているコープしがの定番ともいえるでしょう。
シガフードプロダクツでは、バラ凍結ミンチの製造のほか精肉加工も行っており、その様子も見学してきました。ここで作られる精肉・加工品はコープしがだけでなく、お隣の京都生協をはじめとするコープきんきやコープ北陸の生協にも供給されています。
「工程の発想は非常にシンプル。冷凍状態の肉を挽き、計量・包装するのです。使いたいだけ取り出せるようパラパラに仕上げています」とシガフードプロダクツの専務・杉本さん。作業はすべて冷凍のままで行われるのです。
バラ凍結ミンチ製造は前日から準備が始まります。「すべては温度管理」と強調されます。マイナス20℃設定の冷凍庫から、翌日製造する分量をマイナス5℃の冷蔵庫へ。
「この時点の温度調整は非常に難しい。加工の段階で硬すぎると粉のようになり、柔らかすぎてもパラパラになってくれません」。
多い時、ミンチの1日の取り扱い量は1トン以上にも。国産合挽きミンチ(国産牛6:国産豚4)の場合、一度に粉砕する肉の量は50㎏なので、1トンの場合は、上記の1サイクルの作業を20回繰り返すことになります。「肉を粉砕するフレーカーを経てミンチ機から細挽きの状態で出てきた時点でマイナス2℃。そのあとミキシング機に入れ、ドライアイスを噴射しながらパラパラ状態のミンチが完成。包材袋に入れる前に、マイナス10℃の冷凍庫でガスを抜くため、しばらく寝かせます。それからそのまま、マイナス10℃の冷凍庫の中で計量・包装するんです」。作業ごとに温度が細かく設定されていることに驚きました。
「ミンチは肉の中でも表面積が広く、ステーキ・切り落とし・こま切れなどに比べて、冷蔵状態では最も日持ちがしにくい商品です」と杉本さん。一般的な冷蔵の生ミンチなら消費期限は約1日~2日ですが、シガフードプロダクツの冷凍ミンチの場合、賞味期限が60日になっています。また、保存の際の小分けの手間もなく、バラ凍結だと使いたい分だけパラパラと取り出せるのもうれしいポイントです。
「炒め物など、少しだけ使いたい場合は非常に便利。たくさんお使いになるハンバーグなどの場合は、電子レンジなどで半解凍していただき(全解凍するとドリップが出てうま味が減ってしまいます)、よくこねていただくのがよいでしょう」と教えていただきました。「よくこねる」というのが冷凍ミンチをおいしく食べるポイントです。
酸素と窒素の混合ガスを充てんする新鮮パック(牛肉用)や真空パック(豚肉用)で、冷蔵でも日持ちさせる技術は、「冷蔵のお肉がほしい」という組合員の要望から開発されました。今では、ほかの生協の産直商品も取り扱い、コープ北陸やコープきんき内の各生協へも商品の供給を行っています。もちろんメインはコープしがの組合員にお届けする肉の加工とバラ凍結ミンチの製造。組合員さんへ新鮮なお肉を届けるため、今日も早朝から作業をされています。
加工前の温度管理から、出し入れ・製造・計量・包装と、手早くなおかつ厳しい温度管理で作業を行っています。作業サイクルは50kgごとで1単位。国産合挽きミンチ(国産牛6:国産豚4)の場合、牛肉30kg+豚肉20kgの割合です。
牛肉と豚肉のかたまりを機械(フレーカー)で粉砕・攪拌する
直径約9㎜のあら挽きにする
あら挽きから直径3㎜の細挽き状態に加工(この時点でマイナス2℃)
細挽きミンチを機械に投入。かき混ぜながらドライアイスを噴射すると、15分程度でパラパラ状のミンチが完成
ガス抜きのため冷凍庫で保存
マイナス10℃の冷凍庫の中で計量・包装する
例えばこんな商品があります。ほかにもいろいろ、ぜひご利用ください!
「より豊かな食生活食文化を提供する感動創造企業」を経営理念に掲げ「食肉を通じ、消費者の方に喜んでいただける商品を提供し、より多くの人々から信頼を受ける企業」を目指します。主な取扱商品は、バラ凍結の各種ミンチのほか、コープしがの、産直商品であるコープこだわり牛(滋賀県産)・鳥取こめ育ち牛・ コープ豚(三重県産)・ 平牧三元こめ育ち豚(国産)など。コープしがだけでなく近隣の他生協にも商品を供給しています。