本文へ

つくる現場から
昔ながらの製法で肉本来の味わいを
CO・OP 国産ポークあらびきウインナー

CO・OP 国産ポークあらびきウインナー

 子どもたちのお弁当や朝食にも大活躍。時にはお父さんのビールのお供に登場することもしばしば…。今や日本の食卓にすっかり馴染んだウインナーですが、数あるコープの商品の中でも40年以上のロングセラーを誇るのが、CO・OP国産ポークあらびきウインナーです。

 産声を上げたのは昭和47年。「食品添加物をなるべく使わないで」という組合員の声を受け、「無塩せき」とよばれる製法が当時採用されました。無塩せきとは、発色剤となる亜硝酸塩を使用せずに作ること。亜硝酸塩は色鮮やかな見た目に仕上げるだけでなく、雑菌の増殖を抑え、日持ちをよくする効果をもつ、一般的な添加物です。そして平成20年には「お肉本来のうま味をもっと楽しみたい」という要望を受け、輸入肉を一切使わずに国産豚100%のオールポークウインナーにリニューアルされました。

 時代が求めるかたちに沿って進化を続けるCO・OP国産ポークあらびきウインナーは、現在伊藤ハム株式会社の西宮工場と東京工場で製造されています。

特別な原材料と製法のため仕込みはいつも朝一番

 伊藤ハム(株)は昭和3年に創業し、当初は高嶺の花だったハムやソーセージを誰もが気軽に食べられるように大衆化した食品加工会社です。今回訪ねた西宮工場はその一大拠点であり、東京ドームとほぼ同じ広さを誇る敷地内で毎月約220種類もの製品を生産しています。

 「その中でもCO・OP国産ポークあらびきウインナーは“特別扱い”なんですよ」と西宮工場製造部長の丸本善城さん。原料肉に国産の豚肉のみを使用するため、ほかの輸入肉や副原料と混同することがないよう、決まって製造は朝一番。鹿児島や宮崎から冷凍で入荷した豚肉を流水中でゆっくりと解凍し、豚毛や骨などの異物がないかを点検したあと、赤身と脂身を混ぜてミンチにします。

 ちなみに“あらびき”とは、プレート目が5㎜以上の肉挽機で1回挽いたミンチのこと。細挽きや二度挽きに比べてツブツブとした肉粒感があり、国産ポークの力強いうま味がダイレクトに楽しめます。

関連会社の工場がある九州を中心に、厳選された国産の豚肉を冷凍で入荷しています

赤身と一緒にミンチにする脂身の品質を点検しています。さらに豚毛や骨などの異物がないかもチェック。X線や金属探知機も使って何度も検査を重ねています

お話をうかがった、西宮工場・製造1部 部長 丸本善城さん

発色剤や結着剤に頼らず肉本来のうま味を最大限に

 さて、ミンチのあとはいよいよ“塩せき”です。塩せきとは、原料肉を発色剤、食塩、砂糖などに一定期間漬け込む作業。それに対して“無塩せき”とは、亜硝酸塩などの発色剤を使わずに漬け込むことで、決して塩せきという工程を省くわけではありません。

 「発色剤を使わない商品はほかとはまったくの別物。色味はもちろん、賞味期間も短くなってしまいます」。亜硝酸塩には色風味をよくするだけでなく、雑菌の増殖を抑えて日持ちを延ばす効果があり、通常であれば30日以上もあるウインナーの賞味期間が、無塩せきの場合にはなんと15日に半減します。そのため、品質管理はとてもシビア。作り置きはできませんし、製造したらただちに出荷。毎日が時間との勝負です。

 さらにこのCO・OP国産ポークあらびきウインナーには、リン酸塩も入っていません。リン酸塩は赤身の粘りを出し、その中に脂肪、水分を包み込んでジューシーな食感を生みだすためのものですが、伊藤ハム(株)では食塩のみで肉本来の粘りをうまく引き出すことで補うようにしています。「そのために重要なのは人の手。私たちは手で直接肉に触れながら、その日にこねる回数まで微調整しています」。食品添加物に頼らないウインナーづくりとは、今でも人の勘と経験が大きくものをいうのです。

5mm以上のプレート目で1回挽いてミンチにしたものがあらびきです。肉の旨みをストレートに感じる肉粒感が生まれます

塩や砂糖と一緒に漬け込む作業が塩せきです。この時、発色剤や結着剤といった食品添加物は使用していません

塩せきした原料肉は、低温で2日間じっくりと熟成させます

5本入りから6本に ますます使い勝手よし

 塩せきを終えた原料は2日間熟成させ、最終的な味付けを経て羊腸に肉詰めされます。「羊腸の代わりに人工のケーシング(コラーゲンなどから作られる人工皮膜)を使う商品もありますが、CO・OP国産ポークあらびきウインナーは、食感のよい羊腸を使います」と、加工食品事業本部 家庭用営業本部の飯田泰広さん。

混合。香辛料などの調味料を加え、最終的な味付けをしてこねる作業です。

手で肉に触れながら、長年の勘と経験を頼りにこねる温度や時間を微調整しています

 パリッとした軽快な食感は羊腸の持ち味ですが、天然のものだけに太さの規格を合わせていても、ばらつきは出てしまいます。現在は1袋に6本入りが標準ですが、同じ重量でもごく稀に5本入っていたり、7本入っていたりするのはそのためです。「近年では原材料の高騰で5本入りに減らした時期もありました。でも、『奇数では使い勝手が悪い』という組合員さんの声を受け、去年の10月からまた6本入りを標準にしています」。

羊の腸に原料肉を機械で充填します。天然のものですから、太かったり細かったりと多少の個体差が生じます

カートに吊るしたウインナーを国産のヤマザクラのチップでくん煙し、加熱

こうばしいスモークの香りが漂います

 正直なところ、手間とコストを考えれば苦しい台所事情は否めません。しかし、「添加物に頼らない伝統的な製法で、より多くの人に本物の味わいを」という信念に多くのファンが賛同し、家族団らんの一品として長年親しまれているのです。

【お話をうかがった方々】
伊藤ハム(株)西宮工場 製造部長・丸本善城さん、品質管理室室長・冨岡聡さん、加工食品事業本部 家庭用営業本部部長・飯田泰広さん、加工食品事業本部 家庭用営業本部主事・久保康二さん


ボイルとソテー、どっちがおいしい?

その答えは「どっちも!」。

ボイルにすればパリッとジューシーな食感が楽しめますし、ソテーにすれば食欲をかきたてる香ばしい香りが楽しめます。ただし、ボイルの場合はグラグラと沸騰させたお湯でゆで過ぎるとうま味が逃げてしまうから要注意。70~80度くらいのお湯で、少し浮いてくるくらいまでゆでるのがベストです。また、フライパンでソテーする場合には、中火から弱火でじっくりと焼くのがコツ。餃子を焼くように途中で水を少し加えると、皮がパリッとなっておいしく仕上がります。