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つくる現場から
CO・OP大隅産うなぎ蒲焼

作るのは、大隅地区養まん漁協。ここは、うなぎを養殖する生産者たちがつくった協同組合です。鹿児島県・大隅半島へ、そのこだわりをたずねにいってきました。

今、うなぎの主産地は鹿児島

 うなぎと言えば、浜名湖がある静岡県浜松市や、一色町を擁する愛知県が産地として有名です。でも今は、主な産地は鹿児島県。その生産量は全国1位で、シェアは40%に上ります。うなぎは、鹿児島県の特産品です。

 なぜ鹿児島県なのでしょう?

 うなぎ養殖に必要なのは、まず、大量のきれいな水。鹿児島県・大隅半島のシラス台地の下には、飲料水にも使える地下水が脈々と流れています。しかも、ミネラルを含み、細菌に強い弱酸性。それをいくらでも使うことができます。

 そして、温暖な気候。うなぎが元気にえさを食べる水温は、30℃です。そのため、養殖池には温水パイプを設置して水温を上げるのですが、利用する地下水が通年18℃を保っている上に、温暖な気候が手伝って、エネルギーコストが節約できるのです。

 CO・OP大隅産うなぎ蒲焼は、養殖にうってつけの鹿児島から、こだわりの生産方法で届きます。

ずらりと並ぶビニールハウスの中に池があります。

地下水で作る、練りえさ。食べやすいよう、成長具合に応じて、硬さ・やわらかさを調整します。

水の汚れを防ぐために、えさの投入は一か所のみ。水車を回して、酸素を供給しています。病気などの異常は、においで分かるのだそう。

医薬品はほぼ不使用

 元気に育てる――これが何よりのポイントです。そのために大事なのは、まず、えさです。うなぎは小魚や貝類といった動物を補食する生き物なので、アジ・イワシの魚粉を主原料に、酵母やビタミンA・Eなどを加えた栄養価の高いものを与えます。

 そして、生息環境。養殖池の底には、うなぎが本来成長する場である川底のように、石が敷いてあります。

 病気が出た場合は、「塩を入れたり水温を上げたりして、病原体が生きられない環境にする」(生産者で大隅養まん漁協筆頭理事の牧原博文さん)とのこと。水産用医薬品は予防に使うことがあるのでゼロとは言えませんが、ほぼ不使用です。

おいしさと安全を追求した工夫がたくさん

池から上げたうなぎは、桶に入れて積み重ね、水を落として、体の汚れや臭みなどを取ります。

さばいてすぐに焼きラインへ。この鮮度が特長です。鮮度の悪いうなぎを焼くと、伸びたままで厚みのない蒲焼きになります。

白焼の後、95度以上の蒸気で10~12分、充分に蒸し上げて、ふっくら、やわらかに。

たれを塗って焼くのは、計4回。それぞれ約7分、じっくりと。

焼き上がり後、表面の温度を下げて、深さのあるパックへ。ふんわり感を保ったまま真空パックします。

すべてのパックに番号を印字。養殖池と加工日が分かるようになっています。

冷凍は真空パックの後なので、乾燥することなく、水分をしっかり保持。これもおいしさの秘訣。

金属探知機とエックス線で、異物をチェックしてから出荷します。

4回の検査で、安全とおいしさを確保

 稚魚からおよそ1年育てて、加工されます。蒲焼きとして私たち生協組合員に届くまでに、4回の検査があります。

 まず、池からサンプルを取って、残留薬と泥臭のチェック。クリアすれば水揚げして、加工場へ出荷です。

 次に、加工場に入った時点でチェック。泥臭があれば、きれいな水を張った池に戻して、徹底的に臭いを取ります。

 加工場で水を浴びせ、清水に一晩放した後、3回目の泥臭と残留薬チェック。パスすればようやく加工ラインに乗ります。

 4回目は、蒲焼きになった製品の臭みや、食中毒のもとになる微生物がいないかをチェック。定期的に公的機関で残留薬のチェックもします。

 これだけの検査を重ねるから、大隅養まん漁協のうなぎは、安全でおいしいのです。

稚魚が激減。食べながら守ることも必要

 川などから稚魚(シラスウナギ)を捕って池で育てるうなぎ養殖ですが、2005年に1キロ60万円だった稚魚が、2013年には300万円まで上がりました。ざっと一尾500円。稚魚がどれだけ激減したかよく分かります。

 私たちが食べているニホンウナギは2014年、国際自然保護連合から絶滅危惧種に指定されました。激減の原因は乱獲のほか、工事で河川が住みにくくなっているなど、いくつか考えられます。しかし、マリアナ諸島の南で産まれ、フィリピン・台湾・中国海域をへて日本の河川に上り、数年成長してマリアナ諸島へ帰っていくという生態の中で、卵を産める体にどうやって成熟するのか、ふ化後何を食べているのかなど、謎に包まれた部分も多々あります。減少を止める決定打はないのが現状です。

 日本生協連は、うなぎという食資源を守り育てるために、大隅養まん漁協と「国産うなぎの安定的な事業継続に関する覚書」を交わし、2015年には購入代金の一部を、うなぎのすみかの確保や、調査・研究に生かしました。「食べながら守っていく」(大隅養まん漁協 販売部課長 奥園久人さん)という思いも、CO・OP大隅産うなぎ蒲焼には込められているのです。

CO・OP大隅産うなぎ蒲焼を堪能する!

解凍は湯せんがベスト

電子レンジでは水分が失われてしまうので、解凍は湯せんでしてください。冷凍パックのままお湯に入れ、4~5分沸騰。この方法がおいしさの秘訣です。

炙れば、さらに美味

解凍後、オーブントースターやグリルなどで表面を炙ると、香りがアップ。せっかくのうなぎ、ぜひひと手間加えて、おいしく召し上がってください。

土用の丑の日とは

土用は「土旺用事」の略で、“土の気”が旺盛になるという意味。暦の上での季節の変わり目で、立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間が土用。年4回あり、その期間にある丑の日を、「土用の丑」と言います。
江戸時代の学者・平賀源内が「土用の丑の日にうなぎを食べると暑さ負けしない」と言ったことで、猛暑の夏土用(立秋前)にうなぎを食べることが大流行しました。その風習が今に残っています。

疲労回復の、栄養価

うなぎはビタミンB1が豊富です。ビタミンB1は、お米やパンなどの炭水化物が体内でエネルギーに変わっていくときに必要な栄養素。不足すると乳酸などの疲労物質がたまって、疲れやすくなります。元気を失いがちな猛暑にうなぎを食べるのは、理にかなった食習慣です。

作り手からのメッセージ

大隅地区養まん漁業協同組合 
販売部 課長 奥園 久人さん

 鹿児島県・大隅産と銘打ったうなぎは数ありますが、私たち大隅養まん漁協は特別厳しい基準を設け、泥臭を徹底的に除いています。

 おいしさで選ぶなら、間違いなく大隅養まん漁協、つまり、「大隅産うなぎ蒲焼」です。自信を持ってお届けします。