今回ご紹介するのは、コープしがで「毎週自動お届け商品(一度注文すると、翌週以降自動的に届く商品)」にも選ばれている「CO・OPロースハム使い切りパック」。お肉本来の旨みを感じられると人気の商品です。“つくる人”は、創業68年になる信州ハム株式会社。工場に伺い、そのおいしさやこだわりについて教えていただきました。
信州ハム株式会社の創業は1947年。工場は戦国武将・真田幸村ゆかりの地として有名な長野県上田市、八ヶ岳山麓を背景にした千曲川のほとりにあります。「上田市は晴天率が高く、雨が少ない内陸性の気候なので、ハムやサラミの製造に適しているんです」と品質保証部次長の柳沢さん。
澄んだ空気や美しい水などの恵まれた環境を活かし、工場で使用する水の95%は敷地内でくみ上げた天然の地下水。原材料の解凍や機械の洗浄などに使用されています。
ロースハムは、その名の通り豚の背中部分(ロース)の肉を用いて作られます。また意外なことに、日本が発祥の地だそうです。大正時代に日本に来たドイツ人が製法を生み出し全国に広がりました。
信州ハムは、約40年前に東京の消費者団体から「できるだけ添加物の少ないハムを供給して欲しい」という依頼を受けて当時まだ珍しかった、無塩せきのブロックのロースハムを開発されました。コープしがとは、21年前の合併以前からのお付き合いです。
CO・OPロースハム使い切りパックは、発色剤、保存料、着色料などを使用せず、お肉本来の旨みを活かして仕上げています。だから色味も肉の自然なまま。何も加えない分、肉本来の味を感じられるので、原料の豚肉は、良質のものを現地まで行って選定しています(現在は、カナダ、スペイン、ハンガリーなど)。
原料肉仕入れ専門の担当者が、養豚施設、飼料、肉質、脂のつき具合など細かくチェックし選定します。主に麦をエサとして与えていた豚を使用します。「麦で飼育された豚は、お肉の繊維がきめ細かく透明感があります。この麦は、原料となる豚が育った農場で収穫したもので、エサの出所も明らかです」。
みずみずしく、色の濃いものをより分けます(円内の上が無塩せき用)
骨・異物などを除去。無塩せき用として特に良質のお肉を選り分けます。(混ぜ物が少ない分、原料となる肉の品質が直接製品に影響します)
針を使い、お肉の中まで調味液をしみこませます。この工程で発色剤(亜硝酸ナトリウム)を使用しているものを「塩せき」、していないものを「無塩せき」といいます。
ドラム状態の機械に入れゆっくり回転させることで、衝撃を加えて味を均一にする。
ケーシング(袋)に詰める
スモーク後は中心温度を計測・記録します。
桜のチップ(主に国産の間伐材)でスモーク。一般的な「スチームスモーク」でなく、「ガススモーク」方式を採用することで、よりしっとりした食感に仕上がります。
品質を確認しながら包装します。
原料肉搬入時にも検査されます。
パックを3つテープで止めたら、出荷されます!
工場内に入る前には各自ヘアブラシでブラッシングしてから着替える徹底ぶり。
工場の排水は浄化処理をし、鯉の居る池を通って川に流されます。
※HACCP(ハセップ):NASAの宇宙食開発で生まれました。食品原料の受け入れから出荷までのすべての工程において、危害の発生を防止するための重要ポイントを、継続的に監視、記録する衛生管理の手法です。