酒蒸し、パスタにお味噌汁。いろいろな料理に使いやすく、商品案内書でも毎週企画されている「活(かつ)あさり」。コープしがで取り扱う国産「活(かつ)あさり」の加工をしている三重県漁連 大淀貝類流通センターを取材しました。
あさりの自動計量機
地域や気候によりますが、あさりの産卵時期は、5~6月と9~10月。産卵に向けて身に栄養を貯える、産卵直前の時期(3~5月、9~10月)が旬と言われています。この時期は身が大きく、ぷっくりして食べ応えがあるのですが、身に栄養が行き過ぎて殻が割れやすくなっているそうです。
鉄分やビタミンB12が豊富で、貧血気味の方や低血圧の人、妊婦さんには特におすすめの食材といえます。また、あさりに含まれるアミノ酸(旨み成分)の一種であるタウリンは、血中の余分なコレステロールを抑え、肝機能の働きを高める効果があるといわれています。
そして見れば見るほど多様な柄のあさりの殻ですが、栄養価とは関係ないそうです。「白っぽいものは砂地で育ったもの、黒っぽいものは、泥地で育ったものです。栄養価や味は変わりません」と、センター長の中井さん。 また、火を通し、口が開いたら火を止めるのがポイントだそうです。「長く火を通しすぎると身が縮み、旨みが損なわれます」。
冷やした海水の地下水を充填することで仮死状態にし、鮮度を保ちます
三重県漁連は天然水産物や養殖魚の流通・加工を行っています。また、「海を守るためには、森を守ることが大切」と、上流の植樹を行い、環境保全に積極的に取り組まれています。より良い環境づくりを推進することで、三重の漁業の活性化をはかっています。
コープしがで取り扱う活あさりは、熊本、愛知、三重県などの国内産地で取れた天然のあさりを、季節にあわせて仕入れています。
仕入れられた貝はその日のうちに、大淀貝類流通センターにある水槽で一昼夜以上砂抜きされます。砂抜きには、年間を通して一定の温度の海水の地下水を利用しています。海水の地下水は菌が少なく衛生的な反面、酸素が少ないので、エアーで補いながら、自然に近い状態で、ゆっくり時間をかけて砂を吐かせます。
あさりの大きさは厚みではかります
手作業・目検チェック
石や泥貝があればはじかれます
冷やした海水の地下水で仮死状態にして鮮度を保つ・目検チェック
割れや傷みがないか出荷までに3回もチェックされ、素人では見つけられないようなヒビもしっかりはじかれます。それでも組合員さんのところに届くまでに衝撃などで貝が割れてしまうこともあるそう。特に産卵前の貝の殻が薄くなる時期には多いそうです。「貝が割れていても殻に気をつければ食べていただいても問題はありません」。
ここ数年、あさりの価格は上がっています。干潟の減少や環境の変化などで水揚量が減ってきていることに加え、産地偽装問題で、産地指定のものが多いことが原因だそうです。産地では、一度に取る量を制限し、資源保護につとめていらっしゃいます。