いろどり良く、お弁当やおつまみに大活躍のかまぼこ。かまぼこはスケトウダラやイトヨリダイなどの魚のすり身に、調味料を加えて加熱した水産加工品のことを言います。
脳の働きを良くするDHA(ドコサヘキサエン酸)や、中性脂肪を減らすEPA(エイコサペンタエン酸)、そして魚肉のカルシウムも豊富で、高たんぱく・低脂肪・低カロリーと、ヘルシーな食品です。歴史は古く、平安時代初期には文献にかまぼこの存在が記載されています。この頃の形状は今の“ちくわ”に近く、棒に巻きつけてでき上がった姿は、まるで「蒲(かま)の穂」(※蒲…水辺に生える細長い茎に、褐色で円柱形の穂をつける植物)。そこから、“蒲の穂”…“蒲鉾(かまぼこ)”となったと言われています。
かまぼこが板に盛り付けて調理されはじめたのは江戸時代後期と言われており、現在のドーム型になったきっかけとされています。板は余分な水分を吸い取り、殺菌作用があるそうです。かまぼこの原材料は6割以上が魚肉。頭や内臓は取り除くので、CO・OPかまぼこ1本につき、体長20センチほどの魚が3~4匹使われていることになります。
CO・OPかまぼこを作っているのは、1916年創業の老舗「ヤマサ蒲鉾株式会社」。JR姫路駅から山手に30分ほど車を走らせた兵庫県夢前町の森の中、甲子園球場約2個分の広大な敷地にあります。「ここは雪彦山のふもとにあります。山に積もった雨や雪が地下水となり、おいしい天然水が湧き出しています。工場で作られる製品は、この水を使って作るんですよ」とヤマサ蒲鉾の矢巻さん。
水の例でもわかるように、CO・OPかまぼこは、味にとてもこだわりをもって作られています。原料を仕入れる際も、加工先へ足を運び、衛生面・サンプルの味などを確かめて慎重に取り引きされるそうです。納品時にも、原材料品質規格書に基づき原材料の安全保証に関する覚書を交わして、覚書通りであるかの受け入れ検査を徹底。食味も含めての厳しいチェックがされ、そこでふさわしくないと判断されたものは差し戻されます。厳しいけれど、いいものを作るために必要なこだわりを実践されています。
また、ISOやHACCP、兵庫県食品衛生管理プログラム認定など、品質管理の国内外の規格認証も複数受けられており、とても高いレベルの品質管理をされています。「生協と取り引きをはじめてから、今まで以上に衛生管理を徹底するようになった」という取引先の声を聞いたことはありますが、ヤマサ蒲鉾は「生協の求めるレベル」に最初から到達されていると言えるのではないでしょうか。
生協との取引は、コープこうべが前身の灘生協だった約30年ほど前に、ヤマサ蒲鉾の商品の取り扱いを開始しました。当時はコープ商品ではなくヤマサ蒲鉾の商品でしたが、今ではコープきんき共同開発商品として「CO・OPごぼう天」「CO・OPひら天」「CO・OPかまぼこ」をヤマサ蒲鉾が作っています。
コープしがは、約7年前に迎春用の「小桜かまぼこ」から取引がはじまり、今にいたります。
原料冷凍保管庫で保管されている魚肉のすり身をひと晩かけて自然解凍。場所も手間も必要ですが、ドリップが出ず、うま味が逃げない。
機械は2重構造になっており、「解凍した原料はお刺身と同じ」という扱いで、間に氷水が入っています。工場の機械には至る所に氷水があり、品温管理を徹底。「確実に0℃」を保っています。
練り上げた原料を裏ごしし、骨や皮、スジなどを除去した後、かまぼこ板に乗せる。金型を使い2層になるように絞り出します。
※かまぼこ板は、香りが苦手な方もいるので、ほとんど香りのしないカナダ産もみの木を使用。
絞り出されたかまぼこにフィルムを貼ります。これは、表面がつるっとしているかまぼこを好む関西人の嗜好に合わせたものだそう。
赤い部分は石臼で天然着色料と混ぜる。石臼を使うことにより、少量の加工でも温度が上がらない。味を大切にするヤマサ蒲鉾では、練りあがった時点で必ず試食するそう。
赤外線ヒーターで板の裏側から焙り加熱した後、上から加熱。温度が85℃以上になるまで加熱する。せいろ蒸しのように、低圧蒸気で約1時間半じっくり蒸す。
検品して出荷されます。