ヨーグルトや納豆などの菌食材を取り入れて、腸内環境を整えることで免疫力が上がり、ダイエットや若返りにつながるといわれる「菌活」。腸は『第2の脳』と呼ばれるほど神経細胞が集中し、免疫細胞の約6割が集まっている『免疫器官』でもあるので、腸内環境を常によい状態に保つことは、健康を保つ上でとても大事なことです。
腸内に住み着いている細菌には、善玉菌(健康の味方。有害な菌の増殖を防ぎ、ビタミンの生成や免疫機能の維持をはかる)・悪玉菌(腸内バランスには必要だが増えすぎると悪さをする)・日和見菌(多種多様あり腸内細菌の中で最も多いもの、善玉と悪玉の多いほうに加勢する)の3種類あり、一人ひとり持っている菌は違うので、自分に合った「マイ菌活」が必要になります。
腸を整える方法として、①プロバイオティクスといわれる乳酸菌やビフィズス菌などの「生きた菌を摂る」方法、②プレバイオティクスといわれるオリゴ糖や水溶性食物繊維・発酵食品など「善玉菌のエサになる食べ物を摂る」方法があり、①②の組み合わせをシンバイオティクスと呼び、毎日まんべんなく摂ることが大切です。まずは自分に合った菌を見つけるために、1~2週間同じ商品(同じ菌)を摂り、便通や肌の状態を見てください。動物性乳酸菌が効くのか、植物性乳酸菌が効くのかも違います。できれば夕食後に100g程度を、菌のエサと一緒に摂るとよいでしょう。無糖のヨーグルトにオリゴ糖を加えたり、バナナやリンゴ、キウイを添えたりするのも有効です。また日和見菌を元気にする食材は、納豆・チーズ・塩麹・キムチや味噌などの発酵食品がおすすめ。水溶性食物繊維はオクラ・里芋・モロヘイヤ・アボカド、もずくやめかぶといった海藻類、かんぴょうや干しいもにも多く含まれます。
また、運動不足やストレスなどは腸内環境の悪化につながります。腸内環境はすぐに改善されるものではなく、菌は毎日死滅して入れ替わるので、長い目で見る「菌活」を続けましょう。
文:地域活動栄養士 長岡由里子さん