日本には年間を通して様々な行事があります。旬の食材を使い、無病息災や子孫繁栄を願っていただくのが特別な料理「行事食」。行事の中でも、日本の季節の変わり目「節(節句)」を祝う五節句の行事食を、改めてご紹介します。
初春に萌える七種(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)の新芽を入れた「七草がゆ」を食べることで力強い生命力を取り入れ、邪気を払い、一年の無事を祈ります。
桃の節句とも呼ばれ、起源は古代中国です。縁起物のれんこんやえびを入れた「ちらし寿司」、合わせ貝の形から夫婦円満を意味する「ハマグリのお吸い物」をいただきます。お供えの「菱もち」は雪(白)が溶け、大地に新芽(緑)が芽吹き、花(赤)が咲くように健やかな成長を祈るもので、邪気を払い薬効が高いくちなし(赤)やよもぎ(緑)で色付けします。
端午とは月の初めの午(うし)の日をいい、薬草のしょうぶを使って邪気を払ったとされています。「かしわもち」の葉は、新芽が出てからでないと古い葉が落ちないので、家系が絶えない縁起を担いで使われ、「ちまき」に使われる笹の葉には殺菌性があるので、その香りとともにいただきます。
中国に伝わる星伝説からきたもので、本来は6日の夜に短冊を付けた笹竹を軒に飾り、7日の朝に川に流したものです。織姫の糸と天の川になぞらえた「そうめん」をいただきます。
陽の数の最大数である9の重なるめでたい日で、解毒作用や疲労回復・食欲増進効果もある菊の花を使ったおひたしやすまし汁、菊酒、菊飯などをいただき、邪気を払い、長寿を願いました。季節を感じる旬の食材をいただき、子どもたちにも行事の伝承をしていきたいものですね。