和食の味の基本、「だし」。西洋・中華料理はブイヨンや白湯などのように、肉や魚介類そのものを煮込んでだしを取り、うま味の強い料理中心に使われますが、和食では魚介や野菜などを水やお湯でゆっくり抽出し、豊かな風味とうま味を持つ、まろやかなだしに仕上げます。
その主成分にはグルタミン酸(昆布)・イノシン酸(かつお節)・グアニル酸(干ししいたけ)などがあり、それらが合わさると相乗効果でさらにうま味が増加。この「うま味」は、甘味・塩味・苦味・酸味にプラスされた日本が世界に誇る第5の味覚です。味覚が発達する幼児期にしっかり覚えておくと、その後濃い味に出会っても、だしの味が基本となり、味の暴走を防いでくれます。さらに、うま味が減塩対策や、のちの生活習慣病予防にもつながります。
とはいえ、だしを取るのは手間なので、鍋を使わず水で取る、簡単・便利なお手軽おだしを3種ご紹介します!
材料:水500ml、10cm長さの昆布とかつお節パック2袋
材料:水500ml、10㎝長さの昆布と煮干し5~6匹(頭とお腹は取り除く)
材料:水500ml、干ししいたけ4枚(干ししいたけは少し長めに抽出)
作り方
ふた付き容器に材料を入れ、冷蔵庫でひと晩おくだけ。色が出て抽出できたら、材料を取り出す(冷蔵庫で3~4日保存可)。
ワンポイント
3種をブレンドして好みの風味を楽しむのもいいですね。汁物や煮物のほかにも、醤油と半々に混ぜて割り醤油にすると減塩にもなります。