

穴が開いたれんこんは“将来の見通しが立つ”として、おせち料理に欠かせない縁起物。現在は茨城県産が約50%のシェアを占め、日本一の生産量を誇ります。
そこで今回は、各地のコープにれんこんを出荷する茨城ふるさと産直ネットワークの産地の1つ「常陸野産直センター」の生産者にお話をうかがいました。
日本ではびわ湖に次いで2番目に大きな湖として知られる霞ケ浦。その周辺に位置する小美玉市・土浦市を中心に、常陸野産直センターのれんこん農家が作付けをしています。常陸野産直センターは「顔の見える産直」を合言葉に1985年に設立。誰がどのように作っているかを明確にするために栽培履歴のチェックはもちろん、出荷物の追跡調査もできるようにしています。
霞ケ浦周辺でれんこん作りが盛んになったのはここ50年ぐらい。それまでは稲作中心でしたが国の減反政策で米作りを縮小し、水資源の豊富な土地を活かしてれんこんを作るようになったそうです。
れんこんは漢字で“蓮の根”と書きますが、実際には肥大したハスの地下茎です。水生植物のハスにとって最も大切なのは水。遠い昔は海だった霞ケ浦周辺は、きれいな地下水に恵まれたハス栽培の好適地です。
「しかもこのあたりは関東ローム層といって火山灰が堆積した地域。乾けばサラサラ、水を含めばドロドロになる土質で、れんこんの肌を傷めません」。
泥の中のわずかな小石で傷が付くほどれんこんはデリケート。収穫時には水圧で丁寧に泥をよけながら、一つひとつ手作業で「水掘り」を行います。その後はスポンジでやさしく手洗い。つやっと滑らかなスベスベの肌質に仕上がるようにしています。
また、れんこんの大敵は傷だけではありません。れんこんに含まれるタンニンが鉄と結びつき、「赤シブ」や「黒シブ」とよばれる表皮の変色を起こすことがよくあります。
「露地栽培のれんこんは8月~3月頃が出荷のメインになりますが、10月頃までは葉っぱが青くまだ生育の途中です。成長段階は特にタンニンが多いので変色しやすい状態。20度以上の高温で着色が進みますから、その時期は発泡スチロールに氷を詰めて出荷しています」。れんこんに含まれるタンニンはポリフェノールの一種であり、表皮が変色していても食味に影響はありません。
10月頃までは生育途中とあって、若いれんこんはシャリシャリした歯応えを、11月以降の完熟したれんこんは甘くむっちりした歯応えを楽しむことができます。
現在は、味がよく収量の多い味好や金澄20号、太くて肉厚の幸祝といった品種を育てていますが、さらなる甘みや風味を追求しようと豚ぷん(豚の糞)や米ぬか、発酵大豆などを使って生産者が独自で土作りに取り組んでいます。「みなさんが喜んでリピーターになってくれるのが何よりもうれしい」と、最後に笑顔を見せてくれました。
 
	肌の白さとなめらかさにこだわった茨城れんこん
 
	霞ケ浦を望む蓮田。自然災害で1番恐いのは、生育途中に茎が折れる台風だとか
 
	「泥の中を手探りで掘り上げるので、夜でも収穫できますよ(笑)」というベテランの生産者
 
	ホースの水圧で泥をよけながら手でれんこんを掘り当てる「水掘り」
 
	一つひとつのれんこんをスポンジで水洗いします


■れんこんの食感は変幻自在!
れんこんは切り方、調理法によって食感が変わる野菜です。サッとゆでてシャキシャキ、しっかり火を通すとホクホク、すりおろすともっちり食感になります。旬の栄養が豊富な時期にいろんな調理法でお好みの食感を見つけてください。
■水にさらすのは短時間で
空気に触れるとすぐ変色してしまうので、白く仕上げたいときは酢水に浸けましょう。水溶性の栄養素が水に流れ出てしまうので、5分程度浸ければ栄養も逃さず白くきれいなれんこんが食べられます。
■穴が開いていても栄養は豊富
れんこんはでんぷんが多く含まれているので壊れやすいビタミンCを守ってくれます。食物繊維、カリウム、ポリフェノールのタンニンなどいろいろな栄養が含まれています。

 
調理時間 約25分
全量/1460kcal 塩分 7.8g
材料(15×24×5cmの楕円形耐熱皿1台分)
れんこん・里芋 …各100g ウインナー …3本 しめじ …50g ほうれん草 …1/4束 食パン(8枚切)…3枚 サラダ油 …大さじ1 塩・こしょう …各少々 パプリカ(赤・黄)・バター …各適量
A)卵     …4個
  ピザ用チーズ…40g
  牛乳    …1+1/4カップ
  顆粒コンソメ…小さじ1
作り方
《下準備》 耐熱皿にバターを塗り、6等分に切った食パンを敷き詰める。 
調理時間 約20分
1個分/183cal 塩分 1.3g
材料(6個分)
れんこん …50g 人参 …1/4本 生しいたけ …2枚 味付いなりあげ …6枚 ご飯 …1合分 スライスチーズ・焼きのり・ カリカリ小梅・サラダ油…各適量
A)酒・みりん・砂糖 …各大さじ1/2
  しょうゆ     …大さじ1
B)炒り白ごま・すし酢…各大さじ2
作り方
 
調理時間 約15分
1人分/99kcal 塩分 0.7g
材料(2~3人分)
れんこん …50g きゅうり …1/2本 ベビーリーフ …60g リーフレタス …2枚 ミニトマト …2個 黄パプリカ …1/4個 酢 …少々
A)オリーブ油     …大さじ2
  酢         …大さじ1
  塩         …小さじ1/4
  粗びき黒こしょう  …少々
作り方

 上手な保存方法は?
上手な保存方法は? 届いたらすぐ袋から出し、1度きれいに水洗いしてください。出荷前にも泥を落としてありますが、流通過程で汚れが付着する場合があります。その後、水で濡らしたキッチンペーパーに包んで冷蔵庫の中へ。れんこんは水中で育つため乾燥と高温を嫌います。それでも1週間以内に食べきるようにしてください。
届いたらすぐ袋から出し、1度きれいに水洗いしてください。出荷前にも泥を落としてありますが、流通過程で汚れが付着する場合があります。その後、水で濡らしたキッチンペーパーに包んで冷蔵庫の中へ。れんこんは水中で育つため乾燥と高温を嫌います。それでも1週間以内に食べきるようにしてください。 おすすめの食べ方を教えて!
おすすめの食べ方を教えて! 産地では皮をむかずにそのまま食べることが多いです。皮ごと食べることで、れんこんの栄養素を残さず摂取できるからです。私たちは輪切りをシンプルにステーキにしたり、天ぷらにしたり…。中には、すり下ろしの磯部揚げや酢れんこんのサラダが好きという生産者もいます。調理次第でガラッと味わいが変わるのもれんこんの魅力です。
産地では皮をむかずにそのまま食べることが多いです。皮ごと食べることで、れんこんの栄養素を残さず摂取できるからです。私たちは輪切りをシンプルにステーキにしたり、天ぷらにしたり…。中には、すり下ろしの磯部揚げや酢れんこんのサラダが好きという生産者もいます。調理次第でガラッと味わいが変わるのもれんこんの魅力です。