大人も子どもも、気づけばみんなスマホの画面ばかりを眺めていませんか? 夜空の星がこんなにキレイに瞬いているというのに…。
ときにはスマホを置いて、仕事の手を止め、夜空を見上げてみましょう。
今回は、滋賀を拠点に全国各地で爆笑星空解説を行う“星のお兄さん”こと星兄(ほしにい)に、夏の星空の楽しみ方を教えてもらいました。
大人も子どもも気づけばみんな、スマホの画面ばかりを眺めていませんか? 夜空の星がこんなにキレイに瞬いているというのに…。時にはスマホを置いて、仕事の手を止め、夜空を見上げてみましょう。
今回は滋賀を拠点に全国各地で爆笑星空解説を行う“星のお兄さん”こと星兄(ほしにい)に、夏の星空の楽しみ方を教えてもらいました。
星兄(ほしにい)
守山市のリゾートホテル・ラフォーレ琵琶湖(現・琵琶湖マリオットホテル)に入社後、併設プラネタリウムで星座解説を開始。笑いを交えた独自解説が話題となり、全国各地のプラネタリウムで出張公演を行う。 “日本一の星空の村”として有名な長野県阿智村の星空イベントにもゲスト出演中。今年で40周年を迎え、ますます精力的に全国へ笑顔を届けている。
「新訳! 星座の楽しみ方 星のお兄さんの笑説観察ガイド」
季節の星座イジリから人に教えたくなる夜空の秘話まで、星兄の名解説が初の書籍化! eフレンズの「本・CD・DVDショップ」でも購入できます。
「実は星のこと、あまり知らないんですよ(笑)」と謙遜する星兄が星座の解説を始めたのは、入社したホテルでたまたまプラネタリウムの解説を任されたから。天文学者でも学芸員でもなく、ホテルマンだったからこそ「星を使っていかに人を楽しませるか」に情熱を注いできたといいます。「プラネタリウムに来るお客さんの大半が星に詳しくない方です。僕もずっとそちら側。だからこそ初心者が聞いておもしろい星の解説ができるんです。」
たとえば、夏の夜空に一緒に現れる「いて座」と「さそり座」は、夏の星座の代表格。いて座は半身半馬(上半身が人間で下半身が馬)のケイローンが弓を引き、さそり座の心臓(アンタレスと呼ばれる赤い1等星)を狙っている姿です(上図参照)。「それが、どう見たって矢の先が心臓からずれている。これはおもしろいなと思って、『さそり座の心臓から外れた矢が無重力の天球をぐるーっと周ってケイローンのお尻にぷちゅっと刺さって「イテーッ!」と言った、これがいて座の始まりです』と解説しています(笑)」
もちろんこんなギリシア神話はありません。でも、なんだか星に興味が湧いてきませんか? それでは早速、夏の夜空の楽しみ方を伝授してもらいましょう。
「まず知っておいてほしいのが、夏の星座は夏しか見えない、なんてことはありません。大体夜の7~9時くらい、南の方角で空高く輝く星たちがその季節の星座です。ですから同じ方角をずーっと定点観測すれば、地球の自転で春夏秋冬すべての星座を見ることができます。」
夏の夜空で最も見つけやすいのは、「夏の大三角」。こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの3つの1等星を結んでできたかたちです。
「夏の大三角のうち、こと座のベガをおりひめ星、わし座のアルタイルをひこ星と日本では呼んでいます。これが有名な七夕伝説に由来する星ですね。」七夕伝説は1年に1度しか出会えない恋人たちの悲恋の物語。しかし、星兄の解説はひと味違います。
「星の寿命は平均するとだいたい10億年くらい。人間に置き換えると100歳くらいですかね。10億年生きる星同士が1年に1度会う。これを100歳生きる人同士が会う頻度に置き換えると、3秒に1度くらい会っている計算になる。まぁ、会い過ぎですよね(笑)」
夏の星座は頭の真上に「夏の大三角」、南の空にいて座とさそり座を見つけられたらほぼパーフェクト。さらに可能であれば、「天の川を見てほしい」と星兄は話します。 「天の川は私たちがいる太陽系を含めた『銀河系』の姿です。そこでは無数の星たちがうず巻き状になっており、冬はほとんど見えませんが、夏はちょうど、うずの中心がこちらから見える角度になり、天の川が濃く見えます。これも夏の醍醐味です。」
「基本的には街明かりの少ない暗い場所。それでいて山や建物などが視界を遮らない、開けた場所がいいですね。滋賀県内ならびわ湖岸、毎年僕がイベントをやっている箱館山スキー場もおすすめです。実際に天の川を肉眼で見た場所は、滋賀県内だと箱館山が初めてでした。」滋賀県は星空を見るのに適した場所のようです。逆に星の観察をするときに最も妨げになるのは、自分の1番近くに立つ街灯。手をかざして光を遮るだけで、見える星の数が違ってくるそうです。
手ぶらでも構いませんが、夏の星空観察にあると便利なグッズをご紹介します。
できれば深く腰掛けて、空を見上げやすい姿勢のものがいいですね。レジャーシートに寝っ転がってもOKですが、夏場は虫が多いです。
これは絶対に持って行ってください。特に小高い山の上だと昼より温度が下がります。寒さがつらいと星の観察どころではなくなります。
写真撮影をする時など、手暗がりでは不便な場合に。普通の懐中電灯では眼の瞳孔が開いてしまい、夜空が見えにくくなります。
眼に刺激を与えにくい赤色LEDなら、周りで観察する人にも迷惑をかけません。
これは本当におすすめ! いわゆる『星座早見盤』の無料アプリです。夜空にスマホをかざすだけで、その方角にある星座がひと目でわかります。 あとは暗くなるのを待って外に出るだけ! 家族間のコミュニケーションに、夏休みの自由研究に、ぜひ楽しんでみてくださいね。
開催日 | 会場 |
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2025年 7月19日(土) | 星の里いわふね(大阪府交野市) |
2025年 7月21日(月・祝) | 琵琶湖マリオットホテル(守山市) |
2025年 8月2日(土)・ 16日(土) | びわこ箱館山(高島市) |
2025年 8月17日(土) | 琵琶湖マリオットホテル(守山市) |