滋賀県に住む私たちには、あまり馴染みのない“あかもく”という食材。実はこれ、「海のスーパーフード」としてメディアで一躍話題になり、品薄で店頭から姿を消したほど。
そこで今回は、味付あかもくを生産する「(株)海産物のきむらや」にお話を聞きました。
中国地方を代表する港町として知られる鳥取県境港市。海産物のきむらやは、ここで1972年に創業しました。当時は冷凍技術がまだ発達しておらず、現社長の木村隆之さんは、地元特産の糸もずくを日持ちするように塩蔵し、行商で家々を回って売り歩いていました。
そんな時、ある鮮魚店の店先で目にしたのが沖縄県産の“太もずく”。直感的に「これだ!」と感じた木村さんは沖縄県から太もずくを取り寄せて、山陰ではまだ珍しかった太もずくの販売に乗り出しました。
しかし、太もずくはなかなか家庭に受け入れられず、悩んだ木村さんは、地元の旅館の料理長に相談。塩蔵のもずくは塩抜きする手間がかかることを聞き、塩抜き不要で手早く食べられる味付もずくを開発しました。これが大きな反響を呼び、会社の飛躍につながったといいます。
そんな海産物のきむらやが「あかもく」を発売したのは10年前。鳥取県からのとある相談がきっかけでした。
「あかもくは、日本全国の沿岸に自生するホンダワラ科の海藻です。海底から水面まで、長いものでは10mも伸びてきて、漁船のスクリューに絡まります。いわば海の厄介者で、これを何とか商品にできないかと打診されました」と、営業本部長の竹本さん。
実はあかもくは東北地方で“ギバサ”と呼ばれ、古くから食用にされていたもの。山陰には食べる習慣のない海藻でしたが、刻めばどんどん粘りが出る性質がありました。試しに取引先の旅館で朝食に出してもらったところ、瞬く間に評判に。やがて生協のバイヤーの目に留まり、2019年からコープ商品として供給が始まりました。
現在、味付あかもくは、鳥取・島根の両県で水揚げされたものを中心に使用しています。収穫期間はだいたい4~5月の2ヶ月間。その間に1年分のあかもくを刈り取ります。
「あかもくは一年草で一年中生えていますが、刻んで粘りが出る時期は水温や気象条件で微妙に異なります。そのため、収穫前には必ず漁師さんにサンプルを取ってもらい、当社で刻んで粘り具合を確かめてから収穫に入ります」と竹本さん。
水揚げしたら、鮮度の劣化と色落ちを防ぐため、すぐさま冷蔵車に運び込み、その日のうちに本社工場で急速冷凍します。異物の除去はもちろんのこと、渋みや苦み、食感の悪さにつながる固い茎を手作業で除き、味付けします。
「当社は“お母さんみたいにやさしい味”がモットー。これからも安全でおいしい商品を作り続けます」と、胸を張って応えてくれました。
■世界で注目の海藻
ほかの海藻類と比べても栄養素が豊富に含まれていることがわかり、注目されるようになったあかもく。独特のシャキシャキとした食感と強いねばりが特徴です。
■体に嬉しいネバネバパワー
ぬめり成分は水溶性食物繊維で、高い保水性や粘着力で便を柔らかくし、排便を促してくれます。善玉菌のえさとなって善玉菌を増やす効果も期待でき、食後の血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
■ミネラル豊富!
日本人が不足しがちなカルシウムやマグネシウム、塩分の摂り過ぎを調整するカリウムなどミネラルが豊富に含まれています。そのまま食べられるCO・OP味付あかもくを食事にプラスして栄養バランスをアップさせましょう。
調理時間 約25分
1人分/308kcal 塩分 2.9g
材料(2人分)
CO・OP味付あかもく(醤油味) …1パック 鶏もも肉 …1/2枚 大根 …5cm 人参・たけのこの水煮…各80g 生しいたけ …2枚 絹さや …3枚 油 …大さじ1 柚子こしょう …小さじ1/2
A)酒・片栗粉 …各大さじ1
塩・こしょう …各少々
B)だし汁 …1カップ
砂糖・酒・しょうゆ・
みりん …各大さじ1
作り方
調理時間 約15分
1人分/522kcal 塩分 3.1g
材料(2人分)
CO・OP味付あかもく(醤油味) …1パック 春キャベツ …2枚 ハーフベーコン …40g しらす …50g スパゲッティ …160g
にんにくの薄切り …2片分 赤唐辛子の小口切り…1本 オリーブ油 …大さじ2 こしょう …少々 塩 …適量
作り方
調理時間 約10分
1人分/249kcal 塩分 2.3g
材料(2人分)
CO・OP味付あかもく(三杯酢) …1パック 緑豆春雨 …40g 薄焼き卵 …1個分 ハム …4枚 きゅうり …1本 人参 …1/3本
A)しょうゆ・砂糖・ごま油
…各大さじ1
作り方