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お知らせ

「ともにつくる 笑顔あふれる未来」 [対談] 滋賀県知事 三日月大造氏 × 生活協同組合コープしが理事長 白石一夫 報告

【2020.03.02 更新】

「ともにつくる 笑顔あふれる未来」

 
 2020年1月29日、コープしが理念「ともにつくる 笑顔あふれる未来」に対する三日月知事のご意見を伺うために、白石理事長が滋賀県庁の知事室に三日月知事を訪ねました。三日月知事と白石理事長は、同じ坂本小学校出身ということで、挨拶もそこそこに地元の話に花が咲き、懇談は和やかなムードでスタートしました。
 
理事長 今日はありがとうございます。コープしがは合併して27年になります。2018年の総代会では、知事にお越しいただきメッセージを頂戴しました。組合員ともども、私たちにとってとても励みなりました。ありがとうございました。
 
 

コープしがについて

 

理事長 まず、私どもコープしがについて少しご説明申し上げます。27年前、4つの生協が合併したのですが、1つになるにあたっては当時7万人の組合員一人一人に賛同の署名をとり、「合併趣意書」を確認しました。県民の暮らしにきちんと貢献できる生協づくり、人間尊重と平和な街づくりをしていこうという意味を込めています。また生協といえば、一番に「食の安全」が思い浮かぶと思います。もちろん「食の安全」が基礎なのですが、食だけではなく暮らし全般にお役立ちができる組織でありたい、また組合員は買う人ではなく、くらしをよくするために動く人でもありますから、暮らしをよくするためにともに行動できる人のつながりを作りたいという思いでこの合併趣意書を核として、4つの生協が1つになってコープしが出来上がったのです。
  
 協同組合なので、十分な資本があるわけではありませんし、組合員の思いを一つにするプロセスには時間がかかり、カメの様な歩みを進めながら、ようやく26年を経て、今日に至っています。
 
 私どもは、協同組合ですから、ささえあいや助け合いは大切な精神でありまして、阪神淡路大震災をきっかけにした神戸の生活復興の支援や、東日本大震災においては今もずっと支援を続けています。阪神淡路大震災は、組合員が自ら動き、被災地の方と一緒に頑張る姿がありました。東日本大震災の支援は、主に職員が中心となり南三陸の漁業者のみなさんと漁業の復興に取り組むなどの活動を展開してきました。
 
 県民のくらしの中では、宅配という食を配達する形態でのお役立ちをすすめていますが、女性の就業が増えてきたこともあり、2000年から個人配達をスタートしました。県内全てを網羅しながら1週間に約10万か所に届けています。これは郵政に次ぐインフラになっています。地域の交通が寸断され、商店の維持も困難になる中、特に不便を感じておられる県民の皆さんの食の調達についてはこれまでも貢献してきましたし、これからももっと貢献していきたいとの思いがあります。
 
知事 僕の家族も組合員です。事務所に毎週届けてもらっていて、助かっています。事務所のスタッフと一緒に届いた商品を分けて利用しています。かれこれ15年ぐらい、4か所事務所を移転しましたがずっとお世話になっています。
 
理事長 ありがとうございます。生協は、組合員に商品を提供するのですが、生産者とつながって提供をする「産直」も大事な精神です。平和な暮らしがあるからこそ安全安心な食物が食べられ、なおかつ生産者が安全安心な食物を作ってくれるからこそ私たちが(安全安心な食べ物を)いただけるのだから、生産者と消費者が手を結ぼうというものです。近年の台風では、大きな被害が滋賀県内でも発生しましたね。その中にはコープしがの産直産地もたくさんいらっしゃいます。コープしがでは、産直産地、県内産地の農産物を1点利用するごとに1円を「県内・産直農産基金」としてプールしていて、その金額は年間600~700万円になります。その中から台風被害などを受けた生産者にもう1度頑張って生産復活してほしいという思いとともにお見舞い金をお届けするなど産地とのつながりを大切にしています。このように作る人と食べる人の関係を結んで、暮らしをよりよくしていこうという取り組みを力強く進めていきたいと思っています。
 
知事 一人一人を大切にされ、協同で助け合い、ささえあうということを重視されるということは、今の時代、これからの時代にとても合う、とても求められる取り組みであり組織かなあと思いました。そういう日常の売り買い、産直などを含むつながりの中で「もっと安心安全な食べ物ってどうしたらいいと思う?」「もっとより良い暮らしのために、つながりってどう作ればいいと思う?」「もっと健康になるためにはどうしたらいいと思う?」といったことが生まれてくるのだと思いますね。
 
 

持続可能な循環型社会を目指して

 

理事長 資源の循環を考えた取り組みにも取り組んでいます。たとえば、「コメ育ちさくら卵」飼料米を利活用して、飼料米を鶏に食べさせてその卵を私たちが頂くことで循環させていこうという取り組みです。
 
 ハートコープしがでは、リサイクルと農業に取り組んでいて、店舗などで発生する食品残さを回収し、たい肥化して農地にすきこんで小松菜やほうれん草を生産するという循環をしています。障害を持つ人たちが担い手となって働いていただいています。みんなが幸せになるという点においては、障がい者も健常者も一緒に、小さいながらもみんなできることをすすめていこうという思いですすめています。
 
 魚のゆりかご水田米については、県のブランド推進課のみなさんと一緒に普及活動に取り組んでいます。ゆりかご水田米の普及活動を通しては、環境の大切さ・水について見つめなおすことができればと思っています。
 
 私たちは、「5つのたいせつ」として「たべるたいせつ」「びわこたいせつ」「いのちたいせつ」「ちいきたいせつ」「くらしたいせつ」など、事業だけでなくくらしの全般で「色んなたいせつがあることを認識しながら暮らしていきましょう」「自分のできることをしていきましょう」呼びかけることで、組合員は一歩一歩歩んでくださっており、これが協同組合の良さかなあと感じています。
 
知事 今度、CO2ネットゼロの取り組みを起こそうと考えているのですが、これこそコープしがのみなさんと一緒にできることがあると思いますね。フードロス、プラスチックごみゼロ、これらもCO2ゼロに向けた非常に重要な要素になるのですが、コープしがの循環の仕組みづくりの中でもハートコープしがの取り組みはいいですね。
 
理事長 今、3つの未来づくりにチャレンジしていて、ハートコープしがはその一つなんですが、障害を持つ方々の仕事づくりが発端なのですが、農業の後継者問題、環境に及ぼす影響など、社会的に価値のある仕事をしていきたいという思いでスタートしています。
 
知事 リサイクルに関しては、牛乳パックなど宅配の方は配達の人に渡せるし、店舗の方は店舗の回収ボックスにだすというしくみになっているのですか?
 
理事長 そうです。回収し再資源化しています。このように意思を持って資源の循環を行うことは、決断が必要だったのですが、やってみるととても分かりやすく、見えやすくなったと感じています。
 
知事 (こめ育ちさくらたまご・ハートコープしが・魚のゆりかご水田の資料を見て)この資料、絵もいいですね。
 
理事長 組合員さんが書いてくださっているんですよ。
 
知事 生協の取り組みを紹介するこのようなチラシも、ちょっとした行動変容を起こすきっかけになると思いますね。気づきを生んだり、「それならこっちを買おう」と思ったり、ゴミに出さずに循環させようとか。
 
理事長 選択する力が社会を変えることになってくるんだと思っています。
 
 

コープしが理念「ともにつくる 笑顔あふれる未来」について

 

理事長 2020年6月の総代会で理念として「ともにつくる 笑顔あふれる未来」を確認したいと思っています。
 
 ともにつくる……誰かにやってもらうものではないし、かといって一人つくれるわけでもない。一緒になって、力を出し合いながらみんなの幸せをつくっていきましょう。という未来にわたって進めていきたいし、この精神こそがコープしがの拠り所としていきたいと考えています。
 
 この理念をつくるプロセスは、いろんな方々からご意見を聞きました。1年間をかけて組合員と議論を重ねてきました。「生協のどこがいい?」「何が大事?」などを組合員、職員、で出し合い、生産者にも伺いました。暮らしの安全安心、つながり、環境、平和、健康、助け合い、食の安全安心など、どれも大事だよねの想いが寄せられました。
 
 このようにたくさん寄せられた想いを形にしていこうと、言葉にまとめたものがこの理念です。みんなで手をつないで協同の力で進んでいきましょうということなのですが、人のつながりが希薄になっている中、明るい未来を作るためには、「つながりや絆」にさらに価値が出てくるのだろうと思っています。
 
 コープしが理念に対して、組合員からは「未来の子供たちが安心して幸せに暮らせるように願い、この理念に賛同します」という声、職員からは「このような理念を掲げながら日々組合員と接することに喜びを感じます」という声、生産者からは「そういう生協だからこそ、商品を出すことに私たちの価値がある」という声が寄せられました。これからずっと「ともにつくる 笑顔あふれる未来」を目指していこうとしているわけですが、協同組合のメンバーだけでよいのかといえばそうではないと思っています。現在、県民世帯の35%の世帯が組合員であり、大多数になりつつある。県民の方にも「生協いいね!」と言ってもらいながら、県民のくらしをよりよくしていくような地域での活動を応援していきたいという思いを持って、この理念を掲げていきたいと思っています。
 
知事 僕は特にコープしが理念の「ともにつくる」の6文字がいいと思います。僕もよく言うんです。「一緒に頑張りましょう」とか「ともにつくりましょう」とか。「ともにつくる」という6文字は、コープしがさんらしいですね。
 
理事長 当初理事会では、「協同」という言葉が大事だろうという議論があったのですが、さて「協同」という言葉は、広く県民のみなさんがわかりますか?伝わりますか?という話になり、「ともにつくる」という言葉になりました。
 
知事 そうですね。つい行政として知事として、たとえば「笑顔あふれる未来をつくります」とか、「笑顔あふれる未来を県民の皆さんに」とか…なんとなく僕らでつくります感が出てしまうのです。「ともにつくる」は、だれもが主体者ですよ、できることがあるんですよというメッセージ性がありますね。
 
理事長 SDGsについても、ずっと継続してやっていくことが大事だと考えています。
 
 

県との協定について

 

理事長 現在、滋賀県とコープしがが結んでいる協定には、高齢者の消費者被害防止のための啓発に関するものや県内2か所での森林づくりパートナー協定、食と農に関する協定があります。他に各市町とも見守り、災害、子ども110番、などの協定を結んでいますが、個別の問題ではなくなってきていると感じています。
 
知事 ええ、そうですね。高齢者消費者被害防止、食と農の協定、森林づくりパートナー県内2か所など、これらを通じた様々な取り組みにも感謝したいと思います。
 
理事長 そこで県とコープしがの間で、いろんな問題を一緒に考えたり解決したり、できることは担っていけるような包括協定を結ぶことはできないかと考えています。コープしがの組合員さんは地域に20万人いらっしゃいます。“コープしがが何ができるか”というよりも、組合員さんが一緒になって地域のくらしを守っていけるような包括協定をぜひ結べたらと思っています。
 
知事 この点については、私も同感です。包括的連携については、担当課長につないでおきます。

 

 

最後に

 

知事 県内に店舗はいくつあるのですか?
 
理事長 今は、膳所と守山と堅田の3店舗ですが、今度、長浜の市民会館後に地域の方々の集える場として出店を進めています。
 
知事 これからも店舗展開は考えているのですか?
 
理事長 やっていきたいです。我々の体力との関係になりますが。日常的にいつでも買い物に行けるという形態は当たり前のくらしの中にあるものであり、宅配は、組合員のくらしの中でも特別感がある部分だと思うので、店舗という位置づけは大切だと思っています。
 
理事長 今日はありがとうございました。6月の総代会にはぜひご出席いただき、私どもにエールを頂戴したいと思います。
 
知事 6月10日水曜日ですね。先の日程なのでわかりませんが、最優先で調整します。
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