取り扱い品目:北海道の雪室貯蔵北海こがね(じゃがいも)
所在地:北海道河東郡音更町
視察日:2024年9月26日(木)~27日(金)
産地紹介
産地の音更町(おとふけちょう)は広大な十勝平野のほぼ中央に位置し、小麦やじゃがいも、大豆などの畑作がさかんな地域。夏、冬ともに晴れる日が多く、冬は最低気温がマイナス10度を下回り、雪が50cmほど積もります。夏は寒暖の差が激しく、そのおかげで美味しく栄養価の高い農作物が育ちます。
大牧農場は、昭和62年に創業者 五十川氏(現代表)がじゃがいもの産直を始め、安定的に安心できる農産物をお届けするために、3戸の農家を中心に法人化して設立されました。今では近隣の協力農家4戸も加わって、周囲の離農地を引き取りながら全体で400ha以上を耕作しています。
大牧農場では、自然循環機能の維持促進のためにも、緑肥の栽培や堆肥造り、自然エネルギーの活用など、環境負荷を減らした栽培を行っています。堆肥センターの設立やエミネット(空洞センサー)の導入、リースコンテナ(通い箱)での出荷、選果ライン整備などの取り組みに加え、平成16年からは定温庫内に雪を入れて保管する雪室貯蔵を始めました。
圃場風景
ポテトハーベスター(収穫機)
ポテトハーベスターでの選別作業
商品の特徴
大牧農場の看板作物が、雪室貯蔵で寝かせたじゃがいも「北海道の雪室貯蔵北海こがね」です。
北海こがねはメークインのような長い形状で、果肉色と揚げた色が黄金色であることから「北海こがね」と名のついた品種です。秋に収穫したじゃがいもを貯蔵し、冬には降り積もった雪を倉庫内に入れた雪室貯蔵庫で保管します。じっくり熟成させることで、でんぷんがゆっくり糖に変わり、甘くてしっとりした味わいになります。
また、最大の特徴は煮崩れしにくく、でんぷん価が高いこと。カレーやシチューの他、フライドポテトなどの油調理との相性も良いじゃがいもです。使いやすさと、なんといってもその美味しさに惚れ込んで作り続けてきました。
貯蔵庫内の様子
貯蔵庫内のじゃがいも
貯蔵庫内のコンテナ前にて
生産者のコメント
- (株)イソカワファーム 3代目 五十川 賢治さん
「土は生きている」をテーマに健康な土づくりに最も力を入れています。20年農業に携わっていても、毎秋の収穫の喜びは何ものにも代えがたいものです。自分が美味しいと思えるものを届けられる……。当たり前のことだけど、それがうれしいんです。
- (株)カシノキ 3代目 樫木 聖一さん
今まで農薬や化学肥料の使用を大幅に削減した栽培に取り組んできましたが、苦労もたくさんありました。しかし「おいしい!」と言ってもらえると本当にうれしくて、このお仕事をやっていて良かったとつくづく感じます。
- (株)村橋農場 3代目 村橋 美学さん
毎年、春のまきつけの後の発芽や収穫時は格別にうれしい瞬間です。美味しさを求めるだけではなく、開拓から三代続いたこの土地を孫の世代まで守っていきたいです。
北海道の美味しいじゃがいもをたくさんの人に食べてもらいたい
種まきや収穫は大きな機械を使いますが、掘り起こす時には石が大量に出てきます。この石を取り除いたり、じゃがいもを選別するのは人の手と目が頼りです。収穫繁忙期には土日関係なく作業が続き、雨の後は土が詰まったり、泥が付いて腐りやすくなったりと、天候にも左右されます。人手不足や気候の変動など、苦労は尽きませんが、北海道の美味しいじゃがいもをたくさんの人に食べてもらいたいと思っています。
参加理事のコメント
- 広大な畑で機械化も進められており、一見、収穫作業しやすそうだと感じましたが、実際にはじゃがいもと一緒に石がゴロゴロとたくさん出てきて驚きました。また収穫作業車のポテトハーベスターは常に小刻みに揺れるので、だんだん船酔い状態に。また、足を踏ん張りながらの立ち作業だったので、この作業を早朝から夕方まで行うのはとても大変だと感じました。
- 雪室貯蔵は北海道の自然を生かした素晴らしい貯蔵方法だと感じました。組合員さんの中には土付きの野菜を敬遠される方もいるようですが、土が付いていることで品質維持にもつながっているとのこと。生産者から学んだ事を多くの組合員さんにお伝えしていきたいと思いました。
- じゃがいもの収穫体験では、どんどんと掘り出されるじゃがいもに驚きました。倉庫にはたくさんのじゃがいもが積まれ、私たちの食を支えてくださっていることを実感しました。生協は混みサイズでもよいため、サイズを統一するために収穫時に使う薬を使わずに収穫できるそうです。安全・安心な農作物を作っていただくためには、互いの協力や関係づくりが大切だと思いました。
- 産直商品の利用を広げ、私たちの食を支える農業を大切にしていきたいです。組合員と生産者の交流を強め、顔の見える関係を築いていきたいと思いました。
- 広大な敷地の中で栽培されているじゃがいもの収穫、選果作業を体験しました。じゃがいもの保管用カゴは1個で1300kgあり、1日の作業量は160トンとのこと。その規模に驚かされました。
- 普段購入しているじゃがいもは比較的大きさや形も揃っているので気がつきませんでしたが、じゃがいもは想像以上に色々な形、大きさのものがあることに気づき、選果作業の手間を実感しました。
北海道の広大な圃場前にて