青森県津軽地方にある園地は、岩木山の麓に広がっています。火山灰の土壌や秋の寒暖差が大きい気候など、りんご作りに適した条件を備えた日本有数の産地です。
津軽りんごの会は「化学肥料で作ったりんごはおいしくない。」という声を受け止め、有機肥料によるりんご作りに賛同した8人の生産者から始まりました。化学肥料を使わず、米糠や油粕をEM(有用微生物群)で発酵させたボカシ肥料を与えることで、環境にやさしく、美味しいりんごを育てています。
りんごは、葉の光合成によって作られた養分が果実に送られ、糖に変わることで甘く美味しくなります。「葉取らずりんご」は葉摘みをし過ぎないことで、果皮に色ムラはできますが、収穫まで樹上でじっくり熟成させて美味しいりんごに育ちます。
また収穫したりんごは、氷温冷蔵庫で鮮度や品質を保ちながら貯蔵し、出荷時には目視での確認とカラーセンサー・内部品質センサーで色、大きさ、糖度、蜜の有無、腐りや割れなどをしっかり計測・選別し、等階級ごとに箱詰めしています。
早生種、中生種、晩生種と多くの品種を生産しており、9月上旬から3月までの長期間、おいしいりんごを提供しています。また、頒布会の「旬の定期便りんご味くらべ」は9月から2月までの約5か月間、旬のりんごが届きます。手に入りにくいめずらしい品種のりんごもあり、毎回違う味に出会えます。
年々気温が上がってきています。気温が高いと水分が抜けて糖度は上がりますが、収穫量は減ってしまいます。また小鳥や猿、熊、ネズミなどの獣害被害や台風がりんごを傷つけたりと、りんご作りは本当に自然との闘いです。でも組合員の皆さんに「ずっと食べたい」と思ってもらえるよう、美味しいりんごを大事に育てて届けたいと思います。りんごは収穫したてが一番美味しいので、ぜひ旬のりんごを食べてください。
地域一帯にりんご畑が広がり、地域全体でりんごの生産に取り組まれている様子が、産地を訪ねてよく分かりました。また各センサーのついた選果機でしっかり点検されたり、「氷温冷蔵庫」と呼ばれる氷温域で貯蔵できる冷蔵庫で収穫後のりんごの品質を高めていただいています。
「多くの人に喜んでもらいたい」という想いが溢れている生産者の方々ばかりでした。りんご作りに適した津軽の地で、生産者の皆さんが弛まぬ努力と新しい技術を注いでいただくことで、美味しいりんごが届いていることを学びました。
ぜひ美味しいりんごを食べてみてください。