本文へ

有田コープファーム


取り扱い品目:有田みかん、不知火、八朔、清見、ぽんかん、ネーブル、バレンシアオレンジ など

所在地:和歌山県 
視察日:2023年11月8日(水)

産地紹介

  • 和歌山県中部有田川下流域に広がる産地です。和歌山県のみかん栽培は450年の歴史を誇り、生産量、出荷量とも、6年連続日本一。その中でも有田地域での生産量は、全体の5割以上を占めています。平地の他、石垣の段々畑での栽培も広く行っています。段々畑は、石垣の反射で日光があたりやすい、水はけが良い、作業がしやすいなどの利点があります。
  • 1976年 前身の「有田農民組合」が組合員24名により立ち上げ
  • 1989年 「農事組合法人 有田コープファーム」が設立され、今年で35年目を迎えます。
  • 大津生協より「産直産地」としてのお取り引きをスタートし、現在も継続して「コープしがの産直産地」としての取り組みをさせて頂いています。
  • 「農事組合法人 有田コープファーム」は、有田地域で「産直」に初めて取り組んだ組織であり、2023年現在、88名の生産者がみかん作りに励み、年間の生産量は約1,000tです。そのうちコープしがには、みかんのみで141.6tを出荷していますが、近年は、生産者の高齢化により、農地の減少が進んでいます。

商品の特徴

  • 「エコファーマー推進、GAPを推進、トレーサビリティ制度の導入、栽培記録の徹底」など、品質向上への取り組みを継続して実施されています。農薬や除草剤の使用は、和歌山県慣行栽培基準の3割減に留め、「防腐剤・ワックス不使用の安全安心な栽培方法」で「品質の良いみかん」作りをされています。生産者の倉庫を毎年点検し、農薬散布記録、倉庫の鍵や農薬(古い農薬は無料で引き取り)などの薬剤管理が確実に行われているかの確認を実施されています。
  • ハリのある若いみかんが美味しいです。
  • みかんの皮の色が薄いのは着色剤を使っていない証拠であり、安心して食べられるみかんです。
  • みかんの選別作業では、多く転がすことで傷が付いたり酸が抜けたりしてしまいます。採りたての味をより長く味わってもらえるように、転がす距離を減らし、手作業で行なっています。

生産者のコメント
  • 農薬を使わずに栽培すると、2~3年で木が枯れてしまいます。
  • 虫がついた場合なども、必要量をしっかり見極めてから農薬を使用しています。
  • 産地から組合員のお宅まで、最短で4日かかります。届いたらすぐに食べてほしいです。
  • 組合員との交流は、とても大事に思っています。
  • 農薬は8月を目処に以後は使わず、どうしても必要な時は届出を義務付けています。
  • とにかく、届いたら早く食べて、採りたてのみかんの味を楽しんでほしいです。
  • 防腐剤を使っていないので、何度もチェックし、傷んでいるみかん・傷みそうなみかんを都度選別しています。
  • 各生産者の倉庫は定期的に点検し、より安全にみかんを生産できるようにしています。栽培管理記録や入出荷記録を詳細に残すことで、次のみかん作りに活かしたり、問題があったときに原因を追究できるようにしています。
  • 温州(うんしゅう)みかんは突然変異で生まれた種なしみかん。種がないため、接木(つぎき)して栽培しています。
  • 出荷する以外のみかんの行方:腐ったものは産業廃棄物、傷がついたものはジュースに活用しています。
軸はなるべく短く切り、他のみかんを傷つけないようにする

参加理事のコメント
  • 安定した品質のものを一定量生産し続けるということは、とてもすごいことですね。平地では、手を伸ばせばすぐ、玄関を開ければすぐみかんがある…というような環境に驚きました。農薬使用を減らすと手間も時間もかかり、生産者の負担が増えるが、それでもエコファーマーを推進し、また、GAPの取り組みを進められて、毎年組合で生産者の倉庫を一軒一軒訪ねて点検に行かれるなど、生産者同士の柑橘栽培に対する意識と取組が、甘くておいしいみかんにつながっているのではと感じました。山手の方では石積みのみかん畑も多く見られたが、滑って落ちるから危ないと言われていたのも納得できるくらい、傾斜が急でしかも平らでない。そんな中で作業されている生産者の方もおられ、安全第一で生産していただきたいと思いました。「みかん作りはきちんと手をかけていかないとおいしい物はできないし、木も枯れる。子育てと一緒だ」と仰っていたのがとても印象に残りました。
  • みかんの木を植えて、収穫できるようになるまで10年、そこから30~40年収穫すると伺い、生産のスパンの長さに気が遠くなりそうでした。
  • 裏年の木(写真①)にも、なり年の為に、なり年の木(写真②)と同様、肥料をやり世話をしておられるのが、みかんの木の「今・今年」だけではなく、長い目で見ておられて、とても印象的でした。
  • 毎冬何気無く当たり前のように食べていたみかん、私たちのもとに届くまでの過程を学び、実際に産地を訪れたことで、生産者の皆さんのご苦労を知り、本当にありがたいことなのだと感じました。天候、気温に左右され、気苦労は絶えない、肉体的にも重労働です。私たちにできることは、産地を知り、生産者に想いを馳せ、利用して最後まで無駄なく頂くこと、良さを伝え、広げることに尽きると、改めて思いました。

①裏年のみかんの木
②なり年のみかんの木
全員集合写真

ページトップへ