信楽盆地に位置する朝宮は標高300〜400mの高地で、年間の温度差が大きく川筋に霧が発生しやすいなど、お茶作りに最高の条件を備えている日本最古のお茶の産地。「香り朝宮」と呼ばれるほど、香気豊かなお茶を育んで来ました。
6代目当主の片木明さんが農薬や化学肥料を使う栽培方法に危機感を感じ、約50年前から農薬不使用栽培に取り組まれました。先人が築き伝えた自然な栽培方法に回帰し、現在は7代目の隆友さんと安全安心なお茶を作り続けています。
昼夜の寒暖差が激しい山の斜面で農薬や化学肥料を使わず、手間暇かけて育てられた茶葉は薄く柔らかく、味わいはすっきりとして、香りがいいのが特長です。
刈られる時期や加工の仕方で同じ茶葉から煎茶やお抹茶、紅茶など様々な種類のお茶ができます。どのお茶も農薬不使用栽培で安心していただけます。優しく浅蒸しされたお茶は、何度淹れてもおいしいほどです。
お茶は農産物の中で唯一、水で洗わないまま口に入れるものです。私も昔は農薬を使って栽培していましたが、小さな子どもや赤ちゃんも飲んでくれる事を思うと、「このままではいけない」と一大決心し、農薬不使用栽培に取り組み始めました。最初は害虫が茶葉を全滅させるなど苦労を重ねましたが、徐々に害虫を食べてくれる蜘蛛やてんとう虫、カマキリが集まり、本当の自然の森のような環境が出来上がってきました。ただ、雑草の処理は本当に大変で、毎日2人がかりで行っています。農薬を使わないお茶作りは大変な部分もありますが、皆さんに安全安心で美味しいお茶を飲んでいただきたいと思っています。