皆さんは自分の適正体重をご存知ですか? 適正体重とは、【身長(m)×身長(m)×22】で算出する、統計上もっとも病気の発症リスクが低い体重のこと。維持するためには、炭水化物・脂質・たんぱく質から摂取するカロリー(エネルギー)が必要です。それに加えて、カロリーを効率よく活用し体の調子を整えるビタミンやミネラルも不可欠。ただし、消費カロリーより摂取カロリーが上回ると、余計な分は脂肪として蓄積され、肥満や「かくれ肥満」と呼ばれる内臓脂肪の増加に繋がり、動脈硬化や心筋梗塞発症のリスクも高くなるので要注意です。
そうならないために減量しようという人も多いですが、ここ数年特に注目されているのが「糖質制限ダイエット」。糖質とは、食物繊維と一緒に炭水化物に含まれる栄養素で、米やパン、麺類などの主食にも含まれるため、「主食を抜く」という方も見かけます。確かに実践しやすく早期に減量効果がみられる方法なのですが、実際は体脂肪ではなく体の水分が減っただけという場合が多い上、主食がない分、脂質を多く含む副食(おかず)の割合が結局増えてしまう人も少なくありません。
そこで知っておきたいのが、糖質とたんぱく質は1g=4kcalに対して、脂質は1g=9kcalと倍以上のカロリーがあるということ。糖質オフやゼロ表示の市販品についても、カロリーはゼロではなく、人工甘味料などで甘味をつけたり、脂質が多いものもあります。糖質制限ダイエットで以前より摂取カロリーが増えた、なんてこともあるので、おかずの量や献立の構成にも気をつけてみてください。
とはいえ、前に述べたように、カロリーも適正体重を維持するために必要なもの。極端に摂取を抑えると、体調不良やリバウンドを招きやすくなります。まずは適正なカロリーを摂取することが大切。必要な栄養をバランスよく摂り、体の調子を整えましょう。
文:医療部管理栄養士 布施順子さん