何かと忙しい毎日の中での料理に重宝するのが、あらかじめ調味料などに食材を漬け込んでおく「漬け料理」。前日までに下ごしらえを済ませて、当日簡単に調理できるものや、作り置きしておけば数日楽しめるものもあり、漬け込むことで食材がおいしくいただける効果もあります。
例えば、塩水に少しの砂糖を加えた液に、豚のもも肉や鶏の胸肉などを漬け込む「ブライン漬け(塩水漬け)」という調理法は、肉の繊維に液が浸透してしっとり柔らかに。焼いてもパサつかず、下味としての役割もします。同様にヨーグルトや塩麹などに漬け込んでおくと、簡単に風味ある1品が作れます。
これからの季節、香ばしく焼いたきのこ類を塩漬けやオイル漬けにしておくと、サラダのトッピングやパスタ・グラタン・炊き込みご飯の具材にと重宝します。クリームチーズやカマンベールチーズをみそに漬け込んでおけば、お酒のおつまみや急な来客に便利。香りの強いセロリも、するめと一緒にレモンや酢・砂糖・オリーブオイルで漬け込むと、食べやすいマリネになります。
栄養面から見ても、漬け料理にはいろんな効能があります。漬け料理定番のピクルスのお酢に含まれるクエン酸やアミノ酸には、疲労回復・血行促進・新陳代謝促進・むくみ予防・肝機能向上作用などの効果が期待できます。また野菜の食物繊維には便秘解消などうれしいことがいっぱい。みそやヨーグルトなどの発酵食品や、野菜を漬けた液に含まれる乳酸菌には、整腸作用も期待できます。また、調理した残りの野菜を新鮮なうちに調味液に漬けておけば、ビタミンの損失を防ぎ、無駄なくいただけます。献立がさみしい時やお弁当の1品にも、ぜひ上手に活用してくださいね。