本文へ
年代別でよくわかる!睡眠改善のヒント
年代別でよくわかる!睡眠改善のヒント
1年で最も寒暖差が激しく、自律神経が乱れがちな春。「寝たはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も起きてしまう」など、睡眠に関する悩みが増えやすい季節です。そこで今回は、睡眠のスペシャリストにそれぞれの年代に合わせた睡眠改善のポイントを伺いました。
1年で最も寒暖差が激しく、自律神経が乱れがちな春。「寝たはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も起きてしまう」など、睡眠に関する悩みが増えやすい季節です。そこで今回は、睡眠のスペシャリストにそれぞれの年代に合わせた睡眠改善のポイントを伺いました。

よい睡眠は日中の状態でわかる!

角谷さん角谷さん

そもそも“質の良い睡眠”とは、どのようなものなのでしょうか。いつもより長めに眠れたら良い睡眠? 朝、すっきり目が覚めたらよい睡眠? 毎日のことなのにわからないことだらけです。

「睡眠の質を測るには、脳波や筋電図、眼電図など、さまざまなデータを分析した上で判断します。最近ではスマートウォッチや指輪型のウェアラブルデバイス(身につけて使用する端末)で睡眠計測できますが、まだまだ精度が高いとはいえません」と話すのは、滋賀医科大学 睡眠センターの角谷寛先生。

滋賀医科大学は日本で初めて「睡眠学講座」を開設した大学。2016年に滋賀医科大学医学部附属病院「睡眠センター」を創設し、睡眠障害に悩む人たちの診断・治療、研究を行っています。

「最も簡単に睡眠の質を判定するなら、昼間の状態を見ること。眠気があったり、ぼーっとしていたら、良い睡眠を取れているとはいえません。また、寝つきが早すぎるのも良くないです。通常は入眠に15~30分くらいかかりますが、気絶したようにすぐ寝つくのは睡眠不足かもしれません」。



質の良い睡眠を取るためにできること…
寝る前のちょこっとワザ

温度計とヒツジの挿絵

では、普段からどのようにすれば質の良い睡眠を取ることができるのでしょうか。
「まずは寝る前にリラックスすることが大前提。そのために注意するべきことがいくつかあります」と先生は話します。

①寝る前に明るい光を目に入れない

人間の体は明るい光が目に入ると活動的になるようにできています。特にLEDやスマホ、パソコンなどが発する青色光(ブルーライト)が睡眠ホルモンのメラトニンを減少させてしまうので、少なくとも就寝の30分前にはスマホを見るのを控えましょう。ちなみに「明るい光がダメ」といっても、豆電球くらいなら大丈夫。暗闇の中で転倒するリスクの方がこわいです。

②深部体温を上げない

眠気は、脳や内臓の深部体温が下がるタイミングで訪れます。ですから就寝前に汗をかくほど激しい運動や熱いお風呂はNG。ただし、ストレッチはリラックスに直結するのでおすすめですよ。

③寝酒をやめる

アルコールは寝つきをよくする反面、睡眠の質を悪くする作用もあります。体内に入ったアルコールは、アセトアルデヒドに代謝されます。この物質は毒性があり、夜中に何度も覚醒を促します。夕食と一緒にたしなむ程度ならOKですが、寝酒は控えた方がいいでしょう。

④室温に気を配る

寝室が寒い場合、本来なら体内の熱を放出する手足の血管が収縮し、うまく深部体温を下げられないので寝つきが悪くなります。一方、寝室が暑い場合、そもそも深部体温が下がりにくい環境なので快眠できません。季節によって異なりますが、寝室の適温は18度から28度といわれています。


年代別に聞いてみました!
睡眠改善のヒント

20~30代
ちょうど子育て世代の中心であり、職場でも若手として期待される年代です。この年代に多いのが“寝不足”。経済協力開発機構(OECD)による2021年の調査では、先進国33カ国の中で日本の平均睡眠時間は7時間22分と最も短いものでした。ただし、「睡眠時間が長ければ健康なのか」と聞かれると、なかなかそうともいえません。「睡眠時間が7時間未満より9時間以上の人の方が死亡リスクは高くなる」という研究結果もあるのです。また、授乳中の女性は睡眠がこま切れになりがちですが、女性ホルモンの働きで不規則な睡眠に耐えられる体になっています。ですから多少寝不足だからといって、過度な心配は要りません。一方、若い世代には「スマホやゲームで寝不足」という方も多いです。せめて寝る直前は控えるようにしてください。
40~50代
家庭や職場で重要な役割を担い、社会的な責任が重くのしかかる世代です。特に女性は“更年期”という体の節目を迎え、急激に不眠を訴える方が多くなります。なぜかというと、女性ホルモンは睡眠不足の体を助けてくれるものですが、閉経後にはその恩恵を受けられなくなるからです。また、責任世代といわれるこの年代は、メンタルの問題で不眠になる方が増えてきます。効果的な解決策は「周囲からのサポート」。たとえば、職場の同僚や友人、家族に話を聞いてもらうだけでも、心理的に有効なサポートになるのです。
60代以上
60歳を過ぎれば自然に睡眠時間が短くなるもの。ですが、「昔のように眠れない」と心配する方が多くいます。夜中に1~3回くらい目が覚めるのも正常の範囲内。昼間に眠気やだるさを感じなければ、特に問題ないのです。とはいえ、眠れないままじっと布団に入っているのも辛いでしょう。そんな時にはリビングやほかのお部屋に移動してみてください。なぜなら、毎日寝床で眠れない時間を過ごすと、脳が「寝床=眠れない場所」と覚えてしまうからです。


気になったら一人で悩まず相談を

春は季節の変わり目や新生活のストレスで睡眠障害が出やすい時期です。かかりつけ医に相談しても解決しない場合には、日本睡眠学会認定の専門医がいるお近くの医療機関に相談してみてください。


「日本睡眠環境学会 市民講座」開講のお知らせ

2026年9月12日、大津市民会館にて「学校現場と医療がつなぐ子どもの睡眠支援」をテーマに、日本睡眠環境学会の市民講座が開かれます。睡眠を良くする工夫や寝室環境の改善など、興味深いお話をたくさん聴ける機会です。お気軽にご来場ください。
日 時9月12日(土)13:30~15:30
会 場大津市民会館 小ホール
市民講座の情報は ⇒ こちら(第35回 睡眠環境学会学術大会HP) をご覧ください
ページトップへ