井ゲタ竹内は、1950年に佃煮製造業として創業しました。創業時から、「自然が生きている食品を作りたい」という理念に基づき仕事を始めました。しかし、当時は添加物の使用が当たり前の時代でしたので、無添加の醤油を醤油メーカーさんにお願いして製造してもらうなど苦労の多い生産でした。苦労の割には市場の評価は厳しく、着色料を使用しない弊社の商品は見た目が悪いと問屋さんからは敬遠され、また、保存料を使用しない商品ゆえに販売期間の短い売り難い商品として小売店さんからも敬遠され、自ら売り歩く時代が続きました。
そんな時に生協様と出会い、弊社の理念と生協様の理念が合致したことから商品の取り組みが始まりました。ほどなくして、希望に燃えるもずくの産地(恩納村漁協)にも出会い、「日本一のもずくを作ろう」を合言葉に協業を深めました。
今では、産直を通じて、環境問題や産地(一次産業)の後継者問題、食育についても話し合える関係ができました。
コープしがの組合員様に永くご利用いただいている弊社の「淡塩さば」「味付もずく」は、何れも息の長い商品です。淡塩さばは1978年に開発し、味付もずくに至っては1971年に開発してから40年以上の歳月が流れました。ひとえに組合員様のご愛顧の賜物と衷心より感謝申し上げます。長くご愛顧いただく間には幾度とない改良を繰り返してまいりました。社会情勢の変化や組合員様の生活の変化に伴い、都度に組合員様の声に耳を傾ける努力をしてまいりました。しかし、最近では、メーカー・生産者だけでは抗し切れない問題(環境問題に起因する資源問題など)にも取組まねばならなくなりました。もずくなどは典型的な例で、海の温暖化・酸性化によるサンゴの減少が原料もずくなどの海産種の成育に大きな影響を与え始めたのです。こんな問題に対しては、全国の生協さんと一緒になって、サンゴの植え付けを行うなど、積極的に海を育む「里海作り活動」を進めています。今や、原料生産者・加工メーカー・消費者が一体となって商品を作り上げる「産地直結」がまさに重要な時代となったことを痛感致します。