今年こそ！ グリーンカーテンに挑戦
宮原裕文さん（株）サングリーン企画
グリーンカーテンは、見た目も良いですが省エネ効果もばっちり。窓際を比較すると、あるのとないのとでは約5℃くらいの違いがあります。真夏を越すので、特に水やりがポイントです！
「節電」が当たり前になり、夏の暑さもグリーンカーテンで対策する家庭が増えました。でも植物を育てるのはなかなか大変なものです。そこで今回は、グリーンカーテンの作り方とそのコツを、株式会社サングリーン企画の宮原裕文さんに教えていただきました。
準備するもの
グリーンカーテンに向く、つる性の植物（種・苗）
種は価格が安い代わりに手間がかかり、苗は多少高くなりますが、手間はかかりません。初心者なら苗をおすすめします。
- 種からも育てられる植物…
ゴーヤ、アサガオ、へちま、ひょうたん、キュウリ、ルコウソウ、フウセンカズラなど - 苗から育てる植物…
ゴーヤ、アサガオ、へちま、ひょうたん、キュウリ、トケイソウ、ルコウソウ、フウセンカズラ、ぶどうなど
ポイント
日本アサガオは横に広がらないので、横に広がり生育旺盛で、日中も咲いている西洋アサガオか、リュウキュウアサガオがおすすめ。リュウキュウアサガオは、秋咲き（9～11月）なので、気をつけて。
鉢・プランター
つる性植物は大きく育つ種類が多く、真夏に育てるのでたくさんの水が必要です。そのために土も多く必要なので、大きく深型の鉢・プランターを選びましょう。鉢なら8号以上でプランターは65㎝以上のものが良いでしょう。
夏の水やりが大変ですが、最近は、底面給水タイプのものもあります。鉢の底の給水ひもが、鉢皿に溜めた水を吸い上げてくれるので便利ですよ。
ポイント
へちまやひょうたんは、育てるのは簡単ですが、大きくなるので地植え向き。キュウリは「うどんこ病」という病気になりやすいので、ある程度消毒する必要があります。初心者なら、ゴーヤやアサガオが良いですね。ブドウは意外に育てやすく、木なので風にも強く、マンションの高階層にも向いています。
花を楽しみたいなら、木で強いモッコウバラやカロライナジャスミンを。育てる上で、風は結構大敵です。マンションのベランダは特に注意が必要。
土
野菜用や鉢プランター用などの土を選んでください。
ポイント
一度使った古い土をそのまま使うと、連作障害が起きるので、夏場天日で干して日光消毒し、土の活性剤を入れるか、新しい土と混ぜて使いましょう。
肥料
苗の植え付けの時には元肥えとして有機肥料を与え、植物の成長に合わせて追肥として化成肥料を与えると育てやすいでしょう。
ポイント
土は、鉢の上部から最低3cm下げて入れる。左の図がベストですが、水持ちが大事なので、水はけが良すぎても問題。鉢と土だけでも、水やりをきっちりすれば育ちます。
ネット・支柱
植物をからませるのに必ず必要です。場所に合わせてサイズとタイプを検討してください。
【吊り下げタイプ】
ネットの上下に支柱を通してぶらさげるタイプ。2階など高い所から下げる場合や、洗濯物干しなどに引っかける場所がある場合向き。
【立てかけタイプ】
支柱で枠を作ってネットを張り、壁などに立て掛けるタイプ。上部に引っかける場所がない場合や、ゴーヤなどの重量のある実がつく植物向き。
ポイント
土は、鉢の上部から最低3cm下げて入れる。左の図がベストですが、水持ちが大事なので、水はけが良すぎても問題。鉢と土だけでも、水やりをきっちりすれば育ちます。
育て方
植え付け
種子または苗を購入し、植え付けます。種子からの場合は、発芽適温が高温のものも多いので、まく時期を間違わないようにしてください。例えば、ゴーヤは20℃～25℃。4月上旬～5月下旬の気温です。
ネットを張る
ネットはたわまないようにしっかり張ってください。土の乾燥をふせぐため、ネットは苗より太陽側になるようにします。また、ネットと建物の間を開けた分だけ、より冷涼効果があります。
摘芯
つる性植物は、放っておくと上へスルスルと育つので、本葉が4～5枚（または高さ1m程度）の時に先端を摘まんで小ヅル、孫ヅルを育てて横への広がりを作ってあげましょう。
誘引
できるだけ葉が重ならず、横に広がるようにツルを誘引して、ヒモか粘着テープで軽くネットに絡ませてください。
水やり
日当たりの良い夏場に育てるので、よく乾燥します。朝夕しっかり水を与えてください。タイミングは、朝は陽が上がった直後の涼しい時間に、夕方は陽が暮れた頃が良いでしょう。また、置き場所が高温になるような時は、鉢の下にすのこや人工芝などを敷くと、かなり地温が下がります。
ポイント
鉢底から水が出るまでたっぷり与えてください！水やりは、土に酸素を送る意味もあります。また、昼に水をやると、葉にかかった水が沸騰して葉焼けしてしまいます。
肥料
成長時の葉の色をよく見て、薄くなっているようであれば追肥を与えます。即効性のある液肥タイプが使いやすいでしょう。
満足のいくグリーンカーテンを作るのには3年ほどかかると言われています。「○月○日、気温○℃・湿度○℃。ツルが伸びた」などメモしておくと、翌年改善できるのでおすすめです。失敗を前提に、3年計画くらいの気持ちで、経験を積んで、楽しみましょう！
