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つくる現場から
愛情をかけておいしくなる三元豚
産直コープ豚

 焼いてもよし、煮ても揚げてもよしと、一年中食卓で活躍してくれる豚肉は、家庭で料理を担当する人の強い味方。豚肉は体内では合成できない「必須アミノ酸」をバランスよく含んでおり、疲労回復に効果があるビタミンB1も豊富です。

 「産直コープ豚」は、国内で流通する豚肉のうち、もっとも多く普及している人気の三元豚「LWD」です。「LWD」とは、ヨーロッパ系のランドレースと大ヨークシャー、アメリカ系のデュロックの3種類を掛け合わせた交配の豚のことをいいます。「産直コープ豚」の最大の特徴は、きめの細かな赤身と、ジューシーな脂とのバランスが良いこと。塩こしょうで、シンプルにサッと焼くだけでも香りと柔らかい肉質を楽しむことができます。爽やかな脂も特徴のひとつで、とんカツにすると、軽やかな食べ心地がお分かりいただけると思います。

 滋賀県と三重県の2軒の養豚場で、どちらもほぼ同じ育て方をされている「産直コープ豚」ですが、今回は滋賀県近江八幡市で約1,800頭の豚をご兄弟で育てる養豚場・株式会社JHを訪ねました。

365日休みなく豚の世話にかかりきり

養豚場の入り口。伝染病予防のため、車両はここで必ず消毒します。ゲートを通ると、自動的に消毒液が噴霧されます

 養豚は、まず親となる母豚を育てることから始まります。生後7~8ヶ月頃から種付けを開始し、3ヶ月3週間3日、つまり114日間の妊娠を経て子豚を約10頭ほど出産します。25日間はほ乳期間、次の25日間は母体の回復期間となり、一年に二回ほど出産をします。

 生まれたばかりの子豚の体重は約1.8㎏。母豚の乳とともに、ミルクパウダー入りのエサなどを与えます。8㎏に成長する25日後には離乳となり、ほかの豚とともに集団生活が始まります。そして約110㎏になる6ヶ月ごろに出荷となります。

のびのびと育てられるかわいい子豚たち

 JHを経営する今井さんは、これまで母豚も飼育していましたが、つい最近7~8ヶ月まで育った母豚を宮崎県から買い付けたばかり。「自分が育てた母豚とは、見た目も性格も違いますね。田舎育ちのためか素直。人なつっこくて可愛いです」と、眼を細めながら語ってくださいました。

 JHでは、今井さん、弟の寛さん、そして3名の社員さんが働いています。エサやり、分娩状況の確認、掃除など日々の仕事が多く、一日たりとも休みがないとのこと。お盆もお正月もなく365日を豚の世話に費やしているそうです。

リサイクルで環境貢献

 JHの取り組みのひとつが、リサイクルによる環境貢献。毎日出る豚の排泄物は自動の掃除機で除去し、コンポストで発酵させて肥料を作り、農地に還元しています。また地元の和菓子メーカーから、商品にならなかった残りの和菓子を分けてもらっています。

 豚の主食は粉砕したトウモロコシや大豆かす、小麦、コーリャン(モロコシ)ですが、おやつとしてこの菓子を粉にしたものをパン粉と混ぜ合わせて与えています。豚一頭の一日あたりのエサは約3㎏、おやつが約1㎏。豚肉のおいしさのひとつに脂の甘みがありますが、栄養過多になると脂の量が多くなり過ぎてしまうため、エサで調整しています。

 とはいえ、「豚肉の品質で、エサによって変えられるのは2割程度。おいしさの主な理由は、三元豚という品種と飼育環境だと思います」と、今井さんは話します。

一日あたりの排泄物は6~7トン。糞は写真のサイロで発酵させて堆肥に、尿は浄化し、川に放流しています

右のサイロで発酵させた後の堆肥

できた堆肥をこの機械で袋詰めにし、近隣農家にも提供しています


すくすくと育つ環境を整え健康な豚に育てる

豚舎の手前には、親豚が遊べるスペースがあります

 「一番の使命は、健康な豚を育てること。そのために大切なのは、豚がすくすくと育ついい環境を整えることですね。おいしい豚肉を組合員さんにお届けするため、ひと時も気を抜くことはありません」と、今井さん。

 豚舎の中は一頭あたり約1.2㎡を確保。豚舎とのあいだを自由に行き来できる、青空の下の遊び場もあるため、豚は思う存分体を動かすことができます。

 また、豚は汗腺がないため夏が苦手。豚舎ではミスト扇風機を24時間回して暑さ対策をしています。冬の寒さには比較的強いのですが、産まれたばかりの子豚のためには遠赤外線の保温マットを設置しています。

 現在、近畿2府4県ではPED(豚流行性下痢)などのウイルスは発見されていません。しかし、もし豚舎の中にウイルスが入りこむとあっという間に広がってしまうため、油断は禁物だといいます。

養豚場に入る前は、靴の裏まで徹底的に消毒。ゴシゴシ、しっかり落とします。

 ウイルスの侵入を防ぐため、豚舎の入り口では靴やトラックのタイヤを念入りに消毒しています。豚に与える抗生物質は最低限に抑え、出荷前60日間はいっさい使用していません。そのため薬が残留することはありません。

 出荷された豚は、食肉市場での検品、保健所による健康チェックを経て「全農しが」で検品・カット。さらに「シガフードプロダクツ」で異物が混入していないかの検査を受けたのちに真空パックされ、「コープしが」に届きます。

 四重、五重にわたる厳しい検査を受けた「産直コープ豚」は、安全・安心であることはもちろん、おいしさも抜群です。コープしがで販売されるのは出荷から約5~6日後です。「豚肉の旨みと柔らかさは6日後にピークを迎えるといわれています。購入後はなるべく早く食べることをおすすめします」と、今井さん。

 豚肉の旨みを噛みしめるならモモ、脂の甘さも楽しむならロースや肩ロースなど、用途に合わせて部位を選び、さまざまな料理で味わってみてください。


おいしい豚をお届けします!

JHの今井寛さん(左)、兄の順さん(右)

「養豚はひと時も休めない大変な仕事のため、国内の養豚場は年々減っています。しかし、私たちはおいしい豚を組合員のみなさまにお届けできるよう日々汗を流して頑張って育てています。肉質のよさと安全には絶対の自信を持っています。 安心してお召し上がりくださいね」