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つくる人、たべる人
産直サンふじ

産直サンふじ

産地は北信濃の大自然

手前に見える畑から、奥に見える山の向こうにかけて「サン・くらふとの会」のりんご畑が広がっています。

 産直サンふじの生産者団体のひとつ「サン・くらふとの会」は、長野県善光寺平の北部、長野市~飯網町(いいづなまち)にわたる広大な範囲にあります。千曲川(ちくまがわ)を臨む北信濃の山々に囲まれた内陸性の気候で、雨が少なく昼と夜の温度差が大きいため、糖度が高く、味の良いりんごを作ることができます。土壌もりんご作りに最適な粘土質だそうです。

 このような恵まれた環境の中で、りんごの安全性と味にこだわり生産されているサン・くらふとの会。「サン」は太陽、「クラフト」は“技能”“巧みな”という意味です。サンサンと輝く太陽の下で、会のメンバーである8人の生産者が、味にこだわり愛情たっぷりに育てておられます。

ほど良い甘さの「りんごの王様」

おいしいりんごの見分け方は「茎の付け根とお尻が深く、お尻が黄色がかっているもの」。肌(皮)は、ざらっとしている方がおいしいそうです。

 ふじは、デリシャスと国光を掛け合わせて作られた品種です。甘さはあるけれど日持ちしないデリシャスと、酸味があって貯蔵性が良い国光の良いところだけを受け継ぎました。甘さのバランスが良く、果汁が多いのが特徴です。ほど良い堅さもあり、日持ちが良いとも言われています。蜜が入りやすいのも嬉しい特徴のひとつ。日本でも世界でも1番多く生産されている「りんごの王様」なのです。11月から収穫され、雪が降るまでが特においしい時期と言われています。

 りんごは「形が良く、肌がつるっとしていて色づきの良いものがおいしい」と思われがちですが、ふじにも色々な品種があり、実際には、整った形や赤い色などでは、そのおいしさは判断できないそうです。

ふじとサンふじはどう違う?

 ふじとサンふじは同じ品種です。違うのは育て方。りんごに袋をかけて育てるのがふじ。かけないものがサンふじです。袋をかけると糖度は下がりますが葉や枝による傷が付きにくく、色づきなどの見た目が良いりんごができます。

 サンふじは、葉や枝による傷が付きやすくはありますが、太陽の光をたくさん受け、たくさん光合成して育っているので、糖度も高く果汁たっぷりのりんごになります。また、樹で十分に熟してから収穫するので蜜が入りやすくなります。

りんごの蜜は完熟の証

 りんごの蜜は樹の上で完熟する過程で自然に発生するものです。りんごは光合成によってソルビトールという糖質を作ります。このソルビトールが果実に運ばれ果実の中でりんご本来の甘みである果糖やショ糖に変わります。

 りんごが完熟し充分甘くなると、りんご内の糖が飽和状態となりソルビトールは糖分に変わるのをやめてしまいます。そしてそのままの状態で水分を吸収したものが「蜜」になります。蜜は、これ以上糖に変わらなくても良いというくらいまで完熟している証なのですね。ちなみに、りんごの蜜自体はそれほど甘くはありません。

生協との出会い

 味にこだわり、精一杯おいしいりんごを作っても、味の良い旬の時期にりんごの価格が下がります。市場では、旬の先取りがもてはやされ、早く出荷すればするほど高値での取引となるからです。有袋栽培は手間ですが、出荷時期を調整できるため無駄がでません。

 精魂こめて作ったりんご。「外見ではなく、旬の一番おいしい時期に、質の良いものを消費者に食べて欲しい」と、会長の福沢さんが想いを同じくする当時20~30代の生産者に声をかけ、会を結成しました。そして「誠実に生産された良質なものを組合員に提供したい」と考える生協の産直と手を組み今日に至ります。

 会を結成してから来年で30年。常に情熱を持ち、品質の高いものを生産されています。

こだわりは「惜しみない愛情」

葉摘みは、りんごに太陽の光を当てるため果実に近い葉を摘みます。葉を取りすぎても糖度が上がりません。

 摘果(大きなりんごを作るためほかの果実を間引く)や玉まわし(太陽にまんべんなく当てるため影の部分をまわして表にする)、葉摘みなど、りんごの生産にはとても手間がかかります。

 その上、サン・くらふとの会では土壌を守るために除草剤は使いません。広大な敷地で年に約10回もある草刈りは本当に大変な作業です。

 りんごは病虫害に弱いため、農薬は使用しないわけにはいきませんが、サン・くらふとの会では1本1本の木をしっかり観察し状態を把握しているので、虫害や病気などを早期に発見することができます。このような努力を積み重ねることにより農薬散布回数が8回~9回と少なくすんでいます(地域慣行では14回)。それも収穫の1ヶ月前からは使いません。

 「りんごの表面にワックスを塗ったようなテカりを農薬などと勘違いされることもあるそうですが、これは水分などの蒸発を防ぐためにりんご自身からオレイン酸やリノール酸が自然に分泌されたものであり、無害です。農薬や(人工的な)ワックスではありませんので安心して召しあがってください」と会長の福沢さん。

 その言葉を証明するかのように、樹になっているりんごをタオルで軽く拭いたものを、「家庭で食べるときも、さっと水で流すくらい。皮のまま食べても大丈夫」とその場で半分ずついただきました。

 出荷は生産者自身が素手で仕分けされます。手がセンサーとなり蜜の入りや、傷みまでわかるそうです。「おいしくなったかどうか、仕分けでわかる。組合員さんには、自分が納得できたおいしいりんごしか出荷しません」。

りんごいろいろ

王林

黄緑色で黒い斑点がある。酸味が少なく、香りと甘みは抜群

紅玉

爽やかな酸味と芳香。加熱しても風味が落ちず、料理用に好適

むつ

さっぱりとして歯ごたえも良い。日持ちするので贈答用にも人気

ジョナゴールド

爽やかな風味で果汁が多く、料理やジュースにも向いている

「サン・くらふとの会」からのメッセージ

(左上から時計回りで)宮下さん、小川さん、永野さん、渋沢さん、西藤さん、福沢さん、大川さん、山口さん

 りんごにはカリウムやポリフェノール、食物繊維、ペクチンなどたくさんの栄養が含まれています。整腸作用や粘膜を保護する作用もあるので、たくさん食べて健康に冬を乗り切ってくださいね!

 乾燥しないよう1つずつビニール袋に入れて野菜室か涼しいところで保存してください。食べ方は1センチくらいで横に輪切りをする「スターカット」(種が星の形に見える)がおすすめ。いつもと違った食感が楽しめます。