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つくる人、たべる人
産直牛乳

産直牛乳

今回は、毎朝の食卓に欠かせない大山乳業の産直牛乳。おいしい牛乳をつくるこだわりや、生協とのつながりについて聞きました。

「大山乳業」はどんな組織?

大山乳業の酪農家・山下さんご家族。左から長男・大介さん、妻・敏子さん、正太さん。大介さんの妻・妙子さんは、子育て中のため、一時休業中です。

 生協のオリジナルクリスマスケーキや生乳ソフトヨーグルト、大山バター。そして、なんといっても『生協牛乳120』でおなじみの大山乳業農業協同組合(以下大山乳業)は、鳥取県琴浦町にあります。酪農家が出資して構成員となっている農業協同組合で、酪農を専門とする農協は、全国でも珍しい存在です。

 「産直牛乳」の「産直」とは、“産地直送”ではなく、“産地直結”という意味です。生協の“産直”は、誰がどのように作ったかが分かるだけではなく、作る人と食べる人との交流があり、お互いの対等自立を基礎として、生産者とパートナーシップを結んでいます。

 “産直”が作り上げた交流の輪は、安心・安全をより確かなものへと育てます。大山乳業は、牛乳の産直産地ということで、組合員との交流も積極的に行っているので、夏の「大山キャンプ」や、地域の行事、産直フォーラムなどでお話を聞かれた方も多いのではないでしょうか。

おいしい牛乳へのこだわり

酪農家・山下さんは粗飼料の牧草も栽培。自給率は90%程度

 大山乳業では、「生乳()に優る製品なし」を理念とし、より高品質な生乳生産に、日夜懸命に努力されています。酪農家の心をそのまま食卓へ届けるため、生産~処理~販売までを一貫した体制で行っています。

 飼育している全頭について、乳量や乳成分、体細胞など、膨大なデータを一頭ずつ記録して分析する「牛群検定」にも参加し、鳥取県は都道府県で検定率11年連続1位です。これは、牛の健康状態を常日頃からチェックし、衛生的乳質に気を配っている証。この健康な牛たちの牛乳は、搾乳後24時間以内に工場へ届けられ、製品になります。コープしが組合員の手元へは搾乳後72時間以内に届けられるので、とても新鮮なのです。

 また、牛の糞を肥やしに土をつくり、草を育て、牛のえさにする「循環型農業」を行うことで、地域の環境も考えられています。

搾乳後、何も手を加えていない乳

生協とのつながり

「親子の牛は顔や模様が似ます」と山下さん

 戦後、脱脂粉乳や成分調整乳が一般的だった40年以上前、ヤシ油を混ぜた加工乳が出回っていました。そんな中、酪農家と提携して「成分無調整の本物の牛乳」を共同購入しようとの呼びかけが全国で始まり、これが各地に市民生協が生まれ発展した基になりました。大山乳業はそんな歴史的なできごとを担ってきた酪農家団体の1つです。

 コープしが組合員との産直提携の歴史は、交流し想いを深めながら「低温殺菌牛乳」「低脂肪乳」「クリスマスケーキ」など数多くの製品を取り扱い、開発を実現してきました。2009年6月「生協牛乳120」を大山乳業が製造・供給することになり、これを機にコープしがと大山乳業は協同組合間協同に関する協定を結んでいます。

“今日までの貴重な経験を踏まえ危機に直面する日本の酪農のみならず日本の農業を守る運動の手を携えて取り組み、協同組合運動を未来へつなぐ決意をもって協定を締結します”これは協定の締結文書の一部です。

独自の厳しい基準で日本の酪農を守る

厳しい基準と管理のもと、おいしい牛乳が作られています

 大山乳業の生産者は160戸で、1生産者あたり平均63頭の牛を飼育されています。生産量は年間約59,561t。全国平均よりやや小さめの規模です。その中で、今回は家族で酪農を営まれている山下正太さんに、酪農家の方の生活について聞きました。

 山下さんが暮らす鳥取県大山町は、南に大山、北に日本海が広がる自然に恵まれた場所。天気の良い日は隠岐の島が見える高台に、ご自宅と牛舎があります。乳牛の飼育頭数は搾乳牛32頭、仔牛25頭。この牛たちを、家族4人で飼育されています。

 牛はオランダ原産のホルスタイン。暑さに弱いので、夏は体を洗い、水浴びをさせてあげるそうです。搾乳は機械で行いますが、負担をかけないよう搾り過ぎる前に自動で止まるようになっています。また重たい体を支える足のメンテナンスも欠かせません。

 「大切に育てた牛たちの牛乳ですが、大山乳業の品質基準は高く、乳質が少しでも基準に満たないと、その原乳は涙をのんで廃棄します。また、成分に応じて、表彰やペナルティがあります。厳しいけれど、これが全体での質の向上につながっています。独自の乳価で良いものを適正価格で取り引きすることは、日本の酪農を守ることにもつながっていると考えています」。

 さらに、「FARMやました 酪農教育ファーム」という酪農体験を通して、食といのちを学び支援する活動もされています。子どもたちが安心して活動できるように、安全や衛生に留意し、体験学習ができる場にもなっています。子どもたちが研修に来た時に、牛の本来の姿を知ってもらうため、あえて角を残した牛もいます。メスでも角が生えること、ご存知でしたか?

搾乳から手元に届くまで

 牛乳を製造している琴浦町の本所工場では、HACCPという食品衛生管理の方式を採用されています。HACCPは厚生労働省が定める食品衛生法の基準より厳しく、最終的な製品を抜き取って検査するのではなく、あらかじめ起こりうる生物的・化学的・物理的危害を想定し作る工程自体を監視・管理するものです。

生協牛乳120ができるまで

①搾乳

500リットルの牛の血液から、1リットルの牛乳が作られています

体調の悪い牛から出た乳が混ざってしまうと一緒に搾ったすべてが出荷できなくなるため、牛の乳房ごとに管理されている。

②集乳(搾った乳を集める)

味を確認し、乳を集めて計量。

③受入検査

乳脂肪分や無脂乳固形分、細菌数などあらゆる角度から厳しい検査を受けて冷却機へ。

④貯乳タンク

style="line-height:1.5;"5℃以下で貯乳。

⑤清浄機

遠心分離機で原料の目に見えない不純物まで除去。

⑥均質機

生乳の脂肪球同士がくっつき、牛乳がクリーム状になるのを防ぐため、ホモゲナイザーと呼ばれる機械で脂肪球を均一に。消化吸収もよくなる。

⑦殺菌機

牛乳の温度を上げて殺菌。2秒間120度を保ち、その後すばやく冷やす。

⑧貯乳

殺菌し冷やした牛乳を一度タンクに貯える。

⑨充填包装機

牛乳パックに牛乳を詰める。

⑩製品検査

成分や味や菌の状態をしっかり検査。

⑪冷蔵 ⇒ ⑫出荷

コープしが組合員の子どもさんが作り、大山乳業へとプレゼントされた『牛乳パックで作った牛』。工場の見学通路に置いてあり、各地から見学に来られた方をお出迎えしています。コープしが組合員の子どもさんが作り、大山乳業へとプレゼントされた『牛乳パックで作った牛』。工場の見学通路に置いてあり、各地から見学に来られた方をお出迎えしています。

牛乳の種類

牛乳

搾ったままの生乳を100%使用(成分無調整牛乳)【乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上】

成分調整牛乳

生乳から特定成分(乳脂肪分や水分等)を取り除いたもの
※大山乳業の低脂肪乳はこちら

無脂肪牛乳

生乳から乳脂肪分をほとんど取り除いたもの【乳脂肪分0.5%未満】

低脂肪牛乳

生乳から乳脂肪分をほとんど取り除いたもの【乳脂肪分0.5%未満】

加工乳

生乳または牛乳を原料とした食品(乳製品など)を原材料として加工したもの【成分調整牛乳を含まず】

乳飲料

乳成分以外の成分(コーヒーや果汁、カルシウム等)を加えたもの

組合員さんへのメッセージ

大山乳業マスコット カウィー

牛乳はもともと仔牛のもの。牛は赤ちゃんを産んで初めて乳が出ます。母牛が仔牛の健康を願い、自らの体内で神秘的とも言える作業をこなし作り出すものを分けてもらっていると思いながら、牛を大切に育てています。
大山乳業は乳質基準がとても厳しく、日本一うるさい農協です(笑)日本の酪農を守るためにも、安心して、おいしい牛乳をたくさん飲んでくださいね。