(左から)株式会社 叶 匠寿庵 代表取締役社長 芝田 冬樹氏、生活協同組合コープしが 理事長 白石 一夫
明けましておめでとうございます。
2020年は新型コロナウイルス感染症により、私たちのくらしが大きく変化した年でした。そんな世界規模の変化から、SDGsへの取り組み、地域の人々とのつながりなど、地域と未来を考えるお話を叶 匠壽庵社長・芝田冬樹氏と、コープしが理事長・白石が語り合いました。
白石理事長(以下、白石):昨年末から、長年の念願かなって叶 匠壽庵様とのお取り引きがはじまり、本当にうれしく思っております。
芝田社長(以下、芝田):こちらこそ、ありがとうございます。安全安心に信頼のある生協さんの商品に加えていただいたということ、社員一同とても喜んでいます。
生協さんとも通ずるところがあると思いますが、私たちは、自分たちが信じたものをお客様に提供したい。お菓子の原料となる農作物へのこだわりからはじまり「農工ひとつ」のものづくりを目指して、自然の四季を感じながらお菓子をつくることを大切にしています。
白石:ものづくりの姿勢は本当に尊敬しています。一つひとつ丁寧につくられる素晴らしいお菓子をお取り扱いさせていただけることが喜びです。
※1 叶 匠壽庵「白姫餅」
商品情報は「スパイラル」1月号16ページに掲載しています。
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芝田:2020年は新型コロナウイルス流行により、私どもの状況も大きく変わりました。お客様、従業員の安全を第一に考え、お店を閉めたため、売り上げは大きく減りました。そんな中、皆様に元気になってもらおうと、地域に伝わる龍神伝説をモチーフに開発したのが、秋に新発売した「匠壽庵 白姫餅(※1)」です。特殊な包材で個包装した、手を汚さず食べられる餅菓子なのですが、実は、従業員の発案で生まれました。
普段から、新人、ベテラン関係なく、いいと思うことを言い合える環境をつくっていますので、このような状況下でも力を出せたのではないかと思っております。
白石理事長
白石:私たちも大変な中でしたが、組合員からの「ありがとう」の言葉に力をいただき、協同組合で働いていることの意味を実感できたと思います。
ストレスの多い自粛生活の中において、組合員から、様々な生活の工夫を聞きました。くらしというのは与えられるのではなく、営む人がつくりあげていくものであると改めて実感しました。
※2 寿長生の郷
菓子づくりに欠かせない創造力を求め、2代目が1985年に滋賀県大津市の里山に造営。6万3千坪の敷地を有し、主力の菓子工場をはじめ、お菓子の素材を育てる農園、お茶席や食事席、イベントホールなどを構える。
写真:梅林から見た工場の様子
芝田:私は、今この時代のこの土地を「お借りしている」という意識を持っています。例えば、この土地のきれいな水をいただきお菓子をつくらせていただいていますが、当然その後は排水処理をし、残渣は、肥料として畑にまいたりしながら還元していく。弊社が存続する限り、環境を守り、大事にして次の時代に引き継ぐことが使命だと考えています。
また、少子高齢化で寿長生の郷(※2)の周辺でも休耕田が広がっており、それを見た従業員から自分たちで農業をやりたいと発案がありました。少しでもこの田園風景を残したい、子どもたちに田舎のよさを分かってもらいたい、との思いからです。「誰かのためによいと思うことを、自分を信じてやっていく」、従業員のそんな気持ちを育てていきたいと思います。
何をするにも基本となるのは人。私は、人を大事にすることを一番に考えています。いろいろな人がお互いを尊重し合い、認め合って、尊敬の念を持つ。それが一体となって大きな力が生み出されると信じています。
白石:本当にご縁をいただいてよかったです。コープしがも、思いやりや人間味のある存在でありたい。そのためには、役職員が組合員を大事に受け止めること。組合員が「大事にされている」と思えることで、今度はその人が、周りの人を大事にしていく。生協に関わった組合員一人ひとりがこのような気持ちを持って地域の中で生きることが、地域を変え、日本を変え、世界につながっていくのだと思っています。
また、私たち生活協同組合に、大きな力はない。あるのは、願いを集めたり、つなげたりする力だけです。コープしが組合員20万人のご家庭に、“持続可能な社会のために、何ができるか一緒に考えてみよう”と呼びかけることはできるんですよね。水を大事に使う、食べ残ししない、小さな「できるコト」の積み重ねもまた、社会や世界を変える力になるのだと信じています。
芝田社長
芝田:コトをなすのは人、そして企業は人の集合体ですから、それぞれが気持ちを込めて取り組まなければいけないですね。
叶 匠壽庵には販売マニュアルはありません。大切なのは目先の利益ではなく、人がしてほしいことをして差し上げること。企業として人に必要とされる存在でありたいと考えています。そういう点も通じるところがあると思います。
白石:コープしがでは、2021年から10年先にむかう2030年ビジョンがスタートします。
一人ひとりの組合員にとって、コープしがに何ができるかということを考えたビジョンです。
「やくだつ・つながる・ひろがる」をテーマに、2030年にコープしががどのような姿になっていたいのか、組合員から日々寄せられる声を基に、組合員理事と次代を担う30代~40代のリーダー層の職員を中心にまとめているところです。コープしがが将来にわたって存在し続けてほしいと思っていただくことを目指します。
芝田:私たちは、生協さんに選んでいただいた責任感を感じています。より多くの方に私たちのお菓子をお味見していただき、「おいしかった」を届けられたらありがたく思います。
白石:うれしい限りです。共に地域を大事にし、毎日の積み重ねから笑顔あふれる未来を一緒に創りあげていきたいです。
ありがとうございました。
スパイラル1月号には、叶 匠壽庵おすすめの和スイーツレシピも掲載しています。ぜひ、お試しください。
1106叶 匠壽庵
あも歌留多 詰合せ
最中種5枚×10×2箱・あも1本
本体 2,400円(税込 2,593円)
秋の味覚である栗を羽二重餅に練りこんだ期間限定のあも。
近江神宮に眠る百人一首を色鮮やかに再現。「あも」を挟んで召し上がれ。
1107叶 匠壽庵
匠壽庵 白姫餅
5個(白餅3個、蓬餅2個)
本体 700円(税込 756円)
滋賀羽二重餅を使用した白餅に粒あんを、蓬餅にはこしあんをあわせました。
対象店舗 | 寿長生の郷〈菓子売場〉 ・ カフェ長浜黒壁店 |
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有効期限 | 2021年2月28日(日)まで |