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つくる現場から
安心、おいしい、お手頃の3拍子!
産直 滋賀の小松菜

有機質肥料&土作りを貫く 県内産のとれたて野菜

 カルシウムや食物繊維を豊富に含み、栄養価の高い緑黄色野菜として知られる小松菜。チンゲン菜や野沢菜と同じアブラナ科で、茎までおいしくいただけるほか、アクが少なく下ゆでも要らないため、手軽に調理できる野菜として親しまれています。

 今回ご紹介するのは、組合員からも甘みがあっておいしいと評判の「産直 滋賀の小松菜」。県内で生産されているため、鮮度は抜群です。さらに、農薬使用量は滋賀県基準量の5割以下に抑えた栽培で通年一律のお手頃価格。コープしがの農産物商品のなかでもトップクラスの供給量を誇ります。

 生産しているのは、食の安全と環境保全型農業を掲げる「滋賀有機ネットワーク」に所属する「株式会社リッチ・グリーン」。野洲、栗東、草津、守山に圃場を有し、新規就農の若者も多い、活気あふれる生産者グループです。

 雪が残る2月のはじめ、野洲エリアの圃場を訪ね、小松菜作りに取り組む生産者の方々にお話をお聞きしました。
「栗東有機栽培グループ」が法人化され(株)リッチ・グリーンになりました。

安心とおいしさを追求した、手間を惜しまない野菜作り

種をまいてから2か月ほどの小松菜のハウス。1回の収穫で約2,000パックが出荷されるのだそう

 小松菜をはじめ、ほうれん草や青ねぎ、水菜など、コープしがの産直野菜をいろいろと手掛けている「(株)リッチ・グリーン」。まず、何といっても野菜作りにおいて一番こだわっているのは、有機質の土作りです。

 「専門店と契約して、良質な有機肥料を作ってもらっています」と教えてくれたのは、グループリーダーを務める藤田真吾さん。2年に一度の土壌検査で土の状態を把握、足りない成分を補うような有機質を専門店にブレンドしてもらい、グループ全員が肥料に取り入れているのです。これに加え、生産者それぞれが、堆肥をはじめ、とうもろこしや緑肥を混ぜ込んだ土作りなどにも積極的です。組合員の安全安心への期待に応えるだけでなく、一年中野菜作りをする圃場環境にも欠かせない、大事な取り組みなのです。

害虫防除のために設置されるフェロモントラップ。雌のフェロモンを誘引剤に雄だけを集めて交尾の機会を減らす仕組みに

 また「農薬の使用量は、滋賀県基準の5割以下」という厳しい基準を設けていることも、グループの大きな特徴です。「野菜の味にも関係してくるので、極力減らしています」と、口をそろえる生産者の皆さん。除草などに有効な夏場の太陽熱消毒や、害虫の繁殖を防ぐフェロモントラップの設置、ハウスにネットを張りめぐらせての防虫など、農薬に頼らない防除対策に知恵をしぼっています。

 さまざまな取り組みの下で育ち、青々とした葉をつけた小松菜は、やがて手作業で刈りとられ、小さな外葉を丁寧に取り除かれてから出荷されます。「小さい葉から黄色くなって傷んできます。組合員さんの手元に届いてからもできるだけ日持ちがするように、ひとつひとつ調整をしているんです」と藤田さん。土作りから農薬減の工夫、手作業の調整に至るまで、生産者の皆さんの多くの手間を経て、商品となるのです。

生協の注文数に常に応える、グループの知恵と結束

露地栽培で収穫された小松菜。天候に左右されやすく、収穫時期などの予測が難しいが、特に冬季のものは葉が肉厚で甘みも強い

 ビニールハウスのなかで生育し、冬は約80日、夏は約30日で収穫される「産直 滋賀の小松菜」。ハウス栽培には関係ないと思われがちですが、生育状況は、日照時間や地中の水分、その都度天気の影響を受けるといいます。近年は、夏の高温、秋の日照不足、冬の積雪など、極端な天候が多く、対応にしばしば悩まされたとか。生協との契約栽培を主軸とした「(株)リッチ・グリーン」。天候不順は「夜眠れない」という声も上がるほど、生産者の皆さんにとっては深刻なことなのです。そのため、ハウス栽培をメインにしつつ、生産者それぞれに露地でも平行して野菜作りを試みているのだそう。

野洲エリアでは、ハウス内に土を盛り、圃場を地面よりも高くすることで、水はけがよくなるように工夫している

 「露地とハウスでは育て方も全然違うので大変なのですが、何とか安定供給につなげたくて。その甲斐があって、5、6年前だったらどうしても足りなくなっていたところを、今は露地野菜で補えるようになってきました」

 メンバー間での協力も欠かせません。月2回の定例会議を設け、収穫状況や害虫被害など常に情報を共有化。グループ全員が、「注文いただいた分は何があっても出す」という志のもと、不足分は補い合い、常に組合員さんの注文に対応できる体制を整えているのです。

 生産者ひとり一人の努力と情熱に支えられ、一年中私たちに届けられる「産直 滋賀の小松菜」。「(株)リッチ・グリーン」の皆さんが、「愛情たっぷりです」と胸を張るその味わいを、ぜひご賞味ください。

「産直 滋賀の小松菜」の安定供給のしくみ

 手間がかかる土作り・農薬5割以下で栽培した小松菜が、一年中手頃な価格で手に入る「産直 滋賀の小松菜」。その舞台裏には、生産者のさまざまな取り組みがあります。

その1
周年栽培できる土作り

有機肥料や堆肥など、有機質のみの土作りを徹底することで、良質な土壌が保たれます。これにより、一年中野菜作りが可能になり、小松菜の周年栽培&出荷ができるようになります。

その2
徹底したコスト削減

箱やコンテナなど、納品までに必要なあらゆるコストを徹底的に削減。生産者がギリギリのところまでコストを抑えることで、一年中手頃な価格を実現しています。

その3
グループ内の協力

出荷数を補い合うなど、グループ内での協力体制が整っているため、常に安定した出荷が可能に。害虫の状況などその時々の情報を共有し合うことで、効率的な栽培が実現しています。

生産者おすすめ! おいしい小松菜料理

ハウス栽培により一年中手に入る小松菜。寒さで甘さが増す冬季をはじめ、春夏シーズンは、やわらかな食感も楽しめます。生はもちろん、さっと火を加えれば和洋中さまざまな料理に。届いたらすぐに使うのがおすすめですが、空気に触れないようにビニール袋の上をテープなどでとめ、冷蔵庫で立てて保管すると長持ちしますよ。

スムージー

小松菜(生)、バナナ、りんごを適当な大きさに切り、はちみつ、氷を入れ、ミキサーへ。果物の代わりにジュースを加えてもおいしい。

浅漬け

小松菜(生)をひと口大の長さに切り、塩もみしてしばらくおき、軽く水分をしぼる。お好みで、かつお節や胡麻をまぶして。

サラダ

小松菜(生)をひと口大の長さに切り、オイル系のドレッシングやまぐろの缶詰と和える。油と合わせることで、苦みが和らいで食べやすくなる。

餃子・お好み焼き

キャベツの代わりに、細かく刻んだ小松菜を使う。青菜が苦手でもたくさん食べられて、子どもにもおすすめのメニュー。

豚肉炒め

フライパンにごま油を熱し、豚肉、小松菜を炒め、塩コショウで味付けすれば完成。さっと作れて、ごはんのすすむ一品。

ほかに…

みそ汁、鍋、カレー、だし巻きなどに加えてもおいしいですよ!

生産者からのメッセージ

深尾真人 さん

「(株)リッチ・グリーン」で野菜作りをして4年目です。早朝からの仕事も多く厳しい世界ですが、がんばればその分、野菜がちゃんと応えてくれます。皆さんにおいしいと言っていただけることが、一番のやりがいですね。僕たちが土作りから取り組んで育てた小松菜は、自信を持っておすすめできます。ぜひ食べてみてください! 交流会にも参加しますので、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

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