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つくる人、たべる人
産直天草晩柑

産直天草晩柑

 産直天草晩柑は、国産柑橘類が少なくなる春から初夏にかけて出荷される柑橘で、そのジューシーでまろやかな酸味とおいしさで、コープしがでも人気の果物です。
 今回は、天草晩柑を生産されている、熊本県の天草ジューシー出荷組合を訪ね、おいしさの秘密やこだわりを聞いてきました。

「産直天草晩柑」のココがいいね!

  • ジューシーでまろやか!
  • 収穫まで木成り
  • 国産柑橘の少ない時期に出回る

産地天草は柑橘栽培の適地

生産者の吉田さん

 産地である天草は、隠れキリシタンの歴史で有名ですが、熊本県の南西部に位置し、周囲を藍く美しい海に囲まれた気持ちの良い場所。年間平均気温が16.2度(彦根は14.7度)と暖かく、柑橘栽培に適した気候となっています。天草市の面積は683平方キロメートルで、琵琶湖の面積とほぼ同じです。地形はそのほとんどが山林で、平野部は少なく、その山林を使った果樹栽培が以前から行われていました。

 コープしがでは、京都生協からの紹介で2002年から取り扱いが始まりました。2006年にコープしがの産直商品となり、現在に至っています。生協と取り引きが始まった頃は生産者も限られていましたが、現在は44名の生産者となっています。

天草晩柑って?

 「天草晩柑(ばんかん)」は、実は商品名で、品種名は「河内晩柑」といいます。“河内”といっても大阪ではなく、熊本県河内町のことで、ここで昭和9年頃に偶然発見されたから「河内晩柑」という品種名が付けられました。河内町で自然発生していた柑橘です。

 ほとんどの品種が、秋頃から収穫が始まる柑橘類の中で、一番遅い時期(晩)に収穫され出回ることから“晩柑”と名付けられました。


 開花は5月初旬頃、実は11月頃から12月頃に黄色く着色し、翌年1月頃から食べることができます。2月の寒波が来るまでに収穫する地区も多く、汁けが多いので、和製グレープフルーツとも呼ばれます。

生協の産直天草晩柑はここが違います

収穫を待つ実と、今年の花が同居します。

陶石の大産地でもある天草。この土はミネラルが豊富で水はけが良いため、コクのあるおいしい柑橘が育ちます。
気候四方を海で囲まれ、海洋性の暖かい風が吹きます。ぐっと冷えることもありますが、風により冷気が滞留することがなく、越冬する晩柑に適しています。
収穫時期 一般には1~3月に収穫し、貯蔵して2~4月頃に出荷されることが多いですが、産直天草晩柑は出荷に合わせて3月下旬~7月まで収穫します。そのため、収穫時期に合わせて酸味の残る春先から7月の暑い時季には甘さ控えめのさっぱり味に変わり、時季毎の味の移り変わりが楽しめるのです。

こだわりを追求するために

 収穫するまで木成りにこだわった栽培を行っていますが、いろいろと問題(リスク)がある栽培方法でもあります。

寒波によりたくさん落ちてしまった実。

 例えば、花と収穫する実が同時に木になるので、使えない農薬もあります。また、長い期間実がなっているので、ほかの柑橘に比べて木に負担がかかってしまい、その分手入れが必要です。そして暖かい地域とはいえ、寒波もやってきます。その影響で実が落ちてしまうことも少なくありません。(取材に行った3月上旬には、木になっているのと同じくらいの数の実が、地面に落ちているところもありました)。

 こんな問題もありながら、おいしい天草晩柑を食べてもらいたいという想いから、栽培に取り組まれています。このスパイラルが発行される頃は、甘さ・酸味が調和した粒々感のある天草晩柑をお楽しみいただけます。ぜひご利用ください。

組合員さんへのメッセージ

天草ジューシー出荷組合の代表・船城さん(左)と、広報・袋田さん(右)

天草晩柑は特別甘いわけではありません。シャキッとするほどすっぱくもありません。甘すぎず、すっぱすぎず、家族みんなで食べられる。素朴なんだけど、だからこそ飽きない。天草ジューシー出荷組合は、そんな商品づくりを目指しています。みなさんの日常のお供に、ぜひ一度ご賞味ください。冷やして食べるとうまかよ~。

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