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たべる・たいせつ
ポリフェノールってなあに?

 ボジョレー解禁のこの時期によく飲まれる赤ワイン。その中に多く含まれているといわれる「ポリフェノール」ですが、実はほとんどの植物に含まれる色素や苦み・渋みの成分の総称で、その種類は5,000種以上と言われています。野菜や果実などの植物は、光合成により生命を維持しますが、その時に発生する酸素によって自身が酸化することを防ぐために身につけたのが、強力な「抗酸化作用」。私たちはそれを食べることで、生活習慣病などの予防効果を期待しています。

 例えば、赤の代表的な色素「リコピン・カプサンチン」は、活性酸素の除去・動脈硬化予防・がん予防・皮ふや粘膜の保護・老化を遅らせるといった効用があり、トマト・赤ピーマン・赤パプリカ・金時にんじん・柿・スイカなどに多く含まれています。黄色の「カロテン・ケルセチン」には動脈硬化予防・がん予防・抗アレルギー作用といった効用があり、かぼちゃ・黄オレンジパプリカ・玉ねぎなどに多く含まれています。ほうれん草やピーマン・ブロッコリーなどの濃緑黄色野菜には「クロロフィルやルテイン」が多く含まれ、ガン予防・脱臭消臭作用があります。紫色の「アントシアニン」は紫いも・紫キャベツ・ナス・ブドウ(赤ワインの原料)・ブルーベリーなどに多く含まれ、活性酸素除去・血圧上昇を抑える・眼精疲労改善・肝機能障害軽減など嬉しい効用があります。これらを効率よく摂るには、緑黄色野菜に多い色素は「脂溶性」なので、揚げたり炒めたりして油と一緒に食べると吸収がいいです。

 淡色野菜に多い色素は「水溶性」なので、ゆでるより蒸したりスープなどで汁ごと食べるのがよいでしょう。さらに、コーヒー(クロロゲン酸)・ごま(リグナン・セサミン)・大豆(イソフラボン)・お茶の渋み成分(カテキン・タンニン)にもポリフェノールが多く含まれています。ただ、ポリフェノールだけが健康に寄与するわけではないので、色んなものをまんべんなく食べて、赤ワインもたしなむ程度で楽しみましょう。

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